部長や課長になると、年収はどのくらい変わるのでしょうか。厚生労働省の「令和7年賃金構造基本統計調査」によると、部長級の賃金は月63万5800円で、賞与を年4か月分と仮定して試算すると、年収の目安は約1017万円になります。
国税庁が2026年9月29日に公表した「令和7年分民間給与実態統計調査」では、年間給与が1000万円を超える人は全体の6.6%でした。部長級の年収の目安は、この上位6.6%の層に入る水準です。
この記事では、部長・課長・係長の賃金と年収の目安を確認したうえで、給与の分布の中での位置、前年からの伸び、昇進までの年数を整理します。
1. 【管理職の年収】部長は「月63.5万円」年収の目安は「約1017万円」
まずは、役職ごとの賃金を確認します。
1.1 部長級63万5800円、課長級52万9200円、係長級39万9200円
厚生労働省の「令和7年賃金構造基本統計調査」によると、一般労働者のうち雇用期間の定めのない人の賃金(男女計)は、部長級が63万5800円、課長級が52万9200円、係長級が39万9200円でした。役職に就いていない非役職者は31万500円です。
ここでいう賃金は、6月分の所定内給与額で、残業代などを含まない税引き前の金額です。
1.2 賞与を年4か月分とすると、部長は約1017万円、課長は約847万円
月の賃金の12か月分に、賞与を年4か月分と仮定して加えると、年収の目安は部長級が約1017万円、課長級が約847万円、係長級が約639万円、非役職者が約497万円になります。
ただし、これは賞与の月数を一律に仮定した試算です。実際の賞与は会社や業績によって異なり、残業代も含んでいないため、個人の年収とは一致しません。
2. 【管理職の年収】部長の約1017万円は、年間給与1000万円超の「上位6.6%」の層
では、役職別の年収の目安は、働く人全体の中でどのあたりに位置するのでしょうか。国税庁の「令和7年分民間給与実態統計調査」の給与階級別の分布と照らし合わせます。
2.1 年間給与1000万円超は6.6%、800万円超は12.6%
同調査によると、1年を通じて勤務した給与所得者5163万1000人のうち、年間給与が1000万円を超える人は339万5000人で、全体の6.6%でした。800万円を超える人は649万5000人で12.6%です。
部長級の年収の目安(約1017万円)は1000万円超の層、課長級(約847万円)は800万円超の層、係長級(約639万円)は600万円超の層(25.8%)に入ります。非役職者(約497万円)は400万円超の層(53.0%)の水準です。
年間給与の階級ごとに、その金額を超える人の割合と、役職別の年収の目安を並べました。2/4
出所:国税庁「令和7年分民間給与実態統計調査」、厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 結果の概況」をもとにLIMO編集部作成
2.2 2つの統計は対象や金額の範囲が違う
なお、賃金構造基本統計調査と民間給与実態統計調査は、調査の対象や金額の範囲が異なります。民間給与実態統計調査の年間給与は、1年間に支給された給料・手当と賞与の合計額です。一方、役職別の年収の目安は、6月分の所定内給与と仮定の賞与から試算したものです。
そのため、ここでの比較は「おおよそどの層に入るか」をつかむための目安として見てください。
2.3 800万円超の12.6%が、所得税の71.4%を負担
民間給与実態統計調査では、年間給与800万円超の人は全体の12.6%ですが、源泉徴収された所得税額は9兆2225億円で、全体の71.4%を占めています。
給与階級別の税額から計算すると、1000万円超の人の所得税額は7兆7110億円で、全体の59.7%にあたります。全体の6.6%の人が、所得税の約6割を負担している計算です。
3. 【管理職の年収】前年から一番伸びたのは課長と係長の3.4%。部長は1.4%
役職ごとの賃金は、前年からどのくらい変わったのでしょうか。
3.1 課長級と係長級は3.4%増、非役職者は2.5%増
賃金構造基本統計調査によると、前年からの賃金の増減率(男女計)は、課長級と係長級がともに3.4%増で最も大きく、非役職者が2.5%増、部長級は1.4%増でした。
男女別にみると、女性の部長級は57万8300円で、前年から5.2%増えています。男性の部長級は64万2400円で、0.9%増でした。
3.2 部長と非役職者の格差は、207.1から204.8に縮まった
非役職者の賃金を100としたときの格差は、部長級が204.8で、前年の207.1から縮まりました。一方、課長級は169.1から170.4に、係長級は127.4から128.6に広がっています。
部長級の賃金は、いまも非役職者のおよそ2倍の水準ですが、2025年は伸びが小さかったことで、差がやや縮まった形です。
4. 【管理職の年収】部長級の平均は勤続22.6年・53.1歳
最後に、役職ごとの平均年齢と勤続年数を確認します。
4.1 係長級は45.4歳、課長級は49.5歳、部長級は53.1歳
賃金構造基本統計調査によると、平均年齢は係長級が45.4歳、課長級が49.5歳、部長級が53.1歳でした。非役職者は41.8歳です。
平均の勤続年数は、係長級が17.5年、課長級が20.9年、部長級が22.6年で、非役職者は10.8年でした。
4.2 平均の差は、昇進までの年数の目安になる
これらはあくまで、現在それぞれの役職に就いている人の平均です。昇進のタイミングは会社や業種によって大きく異なりますが、係長級から部長級までの平均年齢の差は7.7歳、勤続年数の差は5.1年となっています。
役職が上がるほど年収の目安は高くなる一方で、その役職に就くまでには一定の年数がかかることもわかります。