共働き世帯は今や珍しくなく、総務省の調査でも1300万世帯を超えています。
世帯としての収入は増えているはずなのに、「自分たちはきちんと貯蓄できているのだろうか」と不安を感じる20代・30代の夫婦は少なくありません。
今回は、共働き世帯が増えている背景と貯蓄の実態をデータで確認したうえで、実際に20代・30代の方から寄せられたご相談と、ファイナンシャルアドバイザーからのアドバイスを紹介します。
- 共働き世帯は2025年平均で1333万世帯に増加し、専業主婦世帯476万世帯を大きく上回る
- 20・30代(二人以上世帯)の金融資産保有額は、平均値と中央値に大きな差があり、共働きでも貯蓄が思うように進んでいない世帯が一定数存在する
- 貯蓄が進まない背景には夫婦間の収入差と支出分担の偏りがあり、負担割合の見直しと家計の一本化が解決の糸口になる
共働き世帯は1300万世帯に増加、いまや多数派に
総務省統計局の「労働力調査(詳細集計)」によると、2025年平均の共働き世帯(夫、妻ともに雇用者である世帯)は1333万世帯で、前年の1300万世帯から33万世帯増加しました。
一方、いわゆる専業主婦世帯(夫が雇用者、妻が非就業者である世帯)は476万世帯で、前年の508万世帯から32万世帯減少しています。
共働き世帯数は専業主婦世帯の約3倍に迫り、夫婦がともに働くスタイルはすでに多数派になっています。
世帯としての収入源が2つあることは家計にとって心強い一方で、収入の管理や支出の分担が複雑になりやすく、「お互い働いているから大丈夫」という思い込みが、かえって貯蓄計画の甘さにつながるケースも見られます。
世帯収入が増えるほど「なんとなく貯まっているはず」という感覚になりやすいのですが、実際に家計の中身を確認してみると、生活費の分担があいまいなまま、どちらの口座にどれだけ残っているのか把握できていないケースが多くあります。
共働きだからこそ、収入と支出の全体像を定期的に夫婦で確認する仕組みを持っておくことが大切です。
「平均値」と「中央値」の差が示す、貯蓄格差の実態
金融広報中央委員会(J-FLEC)の「家計の金融行動に関する世論調査」(令和7年、二人以上世帯)によると、世帯主の年代別の金融資産保有額は、20歳代で平均値525万円・中央値125万円、30歳代で平均値1096万円・中央値311万円となっています。
ここで注目したいのが、平均値と中央値の差の大きさです。中央値は「ちょうど真ん中の世帯」の金額を示すため、一部の資産をまとまって保有する世帯が平均値を押し上げていることがうかがえます。つまり、「平均は500万円台・1000万円台」と聞いて不安になる必要はなく、実際には中央値程度、あるいはそれ以下の世帯も相当数含まれているのが実態です。同世代の「平均」と比べて焦るよりも、自分たちの家庭に必要な貯蓄額を把握することのほうが重要だといえます。
大切なのは他の世帯との比較ではなく、教育費や老後資金など、自分たちが将来必要とする金額から逆算して、今どれくらいのペースで貯めていく必要があるかを具体的にすることです。
目標が明確になれば、収入差がある夫婦でも無理のない負担割合で貯蓄を続けやすくなります。
共働き世帯が増え、家計にゆとりが生まれやすくなっている一方で、「思うように貯蓄が進んでいない」という不安を抱える方は依然として多くいらっしゃいます。
次のページでは、実際に20代・30代の共働き夫婦から寄せられたご相談と、ファイナンシャルアドバイザーからの具体的なアドバイスを紹介します。


