1. 地方・郊外への移住・定着が進むテレワークの現在地

「どこに住んでいても、自分らしく働きたい」——そんな思いを抱いてテレワーク可能な職場を探している方は多いのではないでしょうか。

筆者はこれまで、正社員・パートを問わず長年にわたり採用・人事業務に携わってきました。私自身、2年前に都心から自然豊かな三浦半島へと移住し、現在は完全テレワークで業務を行っています。実体験からも、働く場所の自由が得られるインパクトの大きさを実感しています。

実際に、テレワーク経験者を対象とした意識調査(株式会社LASSIC「テレリモ総研」調べ、対象:全国20代〜60代のテレワーク経験者1,004名)によると、興味深い結果が出ています。

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出典:株式会社LASSIC

出典:株式会社LASSIC

出社形態別に「住まいの選択・変化」を尋ねたところ、フルリモート勤務・ハイブリッド勤務の回答者のうち21.8%が「地方・郊外に住んでテレワークをしている」と回答しました。内訳を見ると、「テレワークを機に地方・郊外へ移住した」が6.2%、「もともと地方・郊外在住でテレワークが定着した」が10.2%、「都心から近郊へ引っ越した」が5.4%となっています。

このデータからも分かる通り、テレワークの定着は単なる「在宅勤務」にとどまらず、人々の居住地の選択肢を大きく広げています。さらに、現在は住まいを変えていないものの「地方・郊外への移住に関心がある」と答えた人は全体の12.3%に上り、潜在的なニーズの高さを物語っています。

2. 企業が「テレワーク求職者」に抱く期待と本音

住む場所を問わない働き方が広がる一方で、採用面接の現場では求職者と企業の間で「認識のズレ」が生じやすいポイントでもあります。

面接の際、求職者の方から「御社はテレワーク可能ですか?」「週に何日リモートできますか?」という質問をいただくことは非常に多いです。住環境や生活の質(QOL)を重視したい求職者にとって、これは当然確認したい条件でしょう。

しかし、採用する企業側の本音は少し異なります。企業側が求職者にテレワークを許可する前提として見ているのは、「指示がなくても自律して成果を出せる人物かどうか」という点です。

 

柳 奈央子
採用側が恐れているのは、「姿が見えない場所で放置状態になり、業務が進まないこと」や「トラブルが発生した際に共有が遅れること」です。そのため、志望動機や自己PRの段階で「テレワークができるから」という受動的な理由ばかりが前面に出ると、採用担当者は「自発的に働く意思が薄いのではないか」と不安を覚えてしまいます。