20・30代に多い「自分たちは貯金ができていないのではないか」への不安。ファイナンシャルアドバイザー・鶴田綾が伝えたいこと

同世代がどれくらい貯蓄しているのか気になり、「自分たちは貯金ができていないのではないか」と焦りを感じる方は少なくありません。特に20代・30代の共働き世帯では、世帯収入はあるはずなのに、なぜかお金が貯まらないという声をよくいただきます。

20・30代に多いお悩み相談は「自分たちは貯金ができていないのではないか」

20・30代のお客様
共働きで子育て中です。まさにそうした不安を抱えています。夫婦で収入差がある中で、それぞれがなんとなく生活費を負担し合っていたため、家計の全体像が見えず、将来に向けた貯蓄が計画的にできていません。「夫婦間で収入に差がある中で、生活費の分担や貯蓄の仕方をどう工夫すればよいのか分からない」というのが、最初の率直な気持ちです。

お互いに働いているからこそ、「相手が貯めているだろう」と思い込んでしまい、結果的に世帯としての貯蓄がゼロに近い状態になってしまうケースは、実際の相談の場でもよく聞かれます。

【ファイナンシャルアドバイザー・鶴田綾が回答】家計の土台を整え、貯金ゼロを脱出する

鶴田 綾
まずは、各支出の負担割合を見直すことから始めましょう。
例えば、月収が50万円の夫と月収20万円の妻で家賃15万円をそれぞれ7万5000円ずつ負担しても、収入に対する負担割合は、夫が15%妻は37.5%と負担度合いが偏ります。
収入格差があるのなら、支出の分担は、「収入に対して〇%」という風に決めて一方の負担が重くならないように見直しましょう。
また、貯蓄に対してはまずは共通の目標を立てるところから始めましょう。自分たちの目標として教育費はいくら準備したいか、夫婦2人の老後資金はいくら必要か?と
明確な目標を立てた上で、それぞれの収入に応じた負担割合で貯蓄することでスムーズにお金を貯めることができるでしょう。
また、貯蓄額については各家庭で必要な貯蓄額が異なります。よその家庭のことは気にせずに、「自分たちの家庭に必要な貯蓄額」を貯めることに集中しましょう。

ポイント1:夫婦間の支出分担のバランスを見直す

まず見直したいのは、夫婦間の支出分担のバランスです。共働きの場合、生活費を折半にするか、項目ごとに担当を分けることが多いですが、収入差がある場合はどちらかに負担が偏りがちです。この方も、収入割合に応じた妥当な負担比率を客観的に整理したことで、「自分たちの現状に合った現実的な調整が必要だ」と気づいたように、まずは世帯全体の収入と支出のバランスを可視化することが、貯蓄体質への第一歩となります。お互いの収入に見合った分担を決めることは、無理なく貯蓄を続けるために欠かせない視点です。

ポイント2:家計管理の仕組みをつくる

そのうえで、家計管理の仕組みづくりが重要になります。別々に管理していた家計を一つにまとめ、あらかじめ決めた予算内でやりくりする方法を取り入れることで、貯蓄に回せるお金を明確にすることができます。「財布を一本化し、予算制を導入することで、計画的にお金が貯められそうだ」という気づきの通り、家計の入り口と出口をシンプルにすることは、無駄な支出を防ぐ効果的な手段です。どんぶり勘定を抜け出し、世帯としての一体感を持って家計を管理することは、将来の目標に向けた資産形成において若い頃以上に大切になります。

ポイント3:将来に向けた積み立て計画を立てる

また、日々の生活費の見直しができたら、次は将来に向けた具体的な積み立て計画へとステップを進めます。この方も、家計の土台が整ったことで、「子どものための教育資金を、具体的にどう積み立てていくか前向きに検討したい」と話すように、漠然とした不安が具体的な目標へと変わっていきました。まずは足元の家計を整え、浮いた資金を将来のための貯蓄や資産形成に回していくという順序を守ることが、着実な資産形成につながります。

「周りはいくら貯めているのか」と焦って無理な貯蓄計画を立てる前に、まずは夫婦の収入割合に応じた分担を見直し、財布の一本化と予算制で家計の土台を整理してみることが、貯金ゼロを脱出し、将来に向けた安心を築くための出発点になります。

参考資料

鶴田 綾