長らく続いた低金利時代の影響もあり、「とりあえず普通預金に入れっぱなし」というお金がある方は少なくないのではないでしょうか。
NISAなどの資産運用は考えていない、あるいは数年後に車を買う予定・住宅購入資金に充てる予定があってコツコツ積み立てたお金をそのまま置いている、という方もいるでしょう。
しかし今は、長く続いた「金利のない世界」から「金利のある世界」へと戻りつつあるタイミングです。使い道が決まっていて、当面引き出す予定のないお金であれば、普通預金に置いたままにせず定期預金に移すだけで、受け取れる利息にはっきりとした差が生まれます。
この記事では、メガバンクとネット銀行の定期預金金利を比較し、実際にどのくらい利息が増えるのかを試算していきます。
※この記事では、データ部分について以下の記事から一部を参考・引用しています。
- メガバンクの定期預金金利は預入期間が長いほど高く、10年もので年1.25%。ネット銀行なら1年もので1.2%前後、5年もので1.6%前後の水準
- キャンペーン金利(金利優遇)を実施している銀行では、条件付きながら5年もので年2%を超えるケースもある
- 300万円を5年間預けた場合、普通預金(年0.4%)とキャンペーン金利の定期預金(年2%超)とでは、受け取る利息に税引後で約19万円もの差が生まれる
1. なぜ「普通預金に入れっぱなし」になりやすいのか
長期の低金利が続いた影響で、「お金を動かしても増えない」という感覚が染みついている方は多いはずです。加えて、次のような事情から、あえて普通預金に置いたままにしているケースも少なくありません。
- 数年後に車の購入や住宅購入資金に充てる予定があり、当面は引き出さないが元本割れのリスクは避けたい
- NISAなどでの資産運用は考えていない、あるいは値動きのある商品には抵抗がある
- いつ使うか分からないお金として、とりあえず普通預金に置いている
こうした「当面使わないが、値動きのリスクは取りたくないお金」こそ、定期預金への預け替えを検討する価値があります。元本が保証されたまま、普通預金よりも高い金利を受け取れる可能性があるからです。
2. メガバンク・ネット銀行の定期預金金利を比較
まずは、実際の金利水準を確認していきましょう。メガバンクのスーパー定期(自由金利型定期預金)は、預入金額が300万円未満でも300万円以上でも同じ利率が適用され、預入期間が長くなるほど金利も高くなる仕組みです。
1年ものは年0.50%、5年もので年1.00%、最も長い10年もので年1.25%です。
2026年8月時点の普通預金金利(年0.4%)と比べると、1年ものの時点ですでに0.1ポイントの差があり、預入期間が長くなるほどその差は広がっていきます。
一方、ネット銀行はメガバンクより高めの金利を提示していることが多く、1年もので1.2%前後、3年もので1.5%前後、5年もので1.6%前後が目安です。
さらに、期間限定のキャンペーン金利(金利優遇)を実施している銀行では、最低預入金額などの条件が付くものの、5年もので年2%を超える例も見られます。
普通預金に数百万円、数千万円をそのまま置いているという人は意外と少なくありません。ゼロ金利の時代だと、「銀行の窓口に足を運ぶ交通費の方が高くつく」「数円しかつかないなら面倒だしそのままでいい」というお声にもうなずけます。ですが、金利のある世界が戻ってきた今は少し考え方が違ってきます。普段お使いの決済用の口座と、当面使う予定のない資金の置き場所は分けて考えてみてはいかがでしょうか。
なお、キャンペーン金利は期間や最低預入金額の条件が付くことが多いので、必ず条件を確認したうえで、複数の銀行の金利を比較してから預け先を選ぶことをおすすめします。
3. 実際にいくら増える?普通預金との差を試算
では、実際にどのくらいの差が生まれるのでしょうか。300万円を5年間預けた場合の受取利息を、単利で試算してみました。
300万円を5年間預けた場合の受取利息イメージ(単利試算)2/3
出所:三菱UFJ銀行「円預金金利」、各社ウェブサイトの金利情報をもとにLIMO編集部が試算・作成(単利・複利や中途解約の条件は商品により異なります)
普通預金(年0.4%)のままだと、5年間の利息は税引前で6万円、税金(源泉分離課税20.315%)が引かれた税引後では4万8,000円ほどにとどまります。
これがメガバンクの定期預金5年もの(年1.00%)に移すだけで税引後約12万円、ネット銀行の定期預金5年もの(年1.6%前後)なら約19万円、条件付きのキャンペーン金利(年2%超の例)を活用できれば約24万円と、預け先を変えるだけで受け取る利息が数倍に増える計算になります。
もちろん、これはあくまで単利での概算であり、実際の商品性(単利型か複利型か、利払い方法など)は銀行や商品によって異なります。それでも、「同じ300万円を5年間動かさない」という条件が同じであれば、預け先を見直すだけでこれだけの差が生まれる、という点は押さえておく価値があります。


