管理職になると年収がいくら上がるのか。役職別の金額はよく目にしますが、そこに何歳で到達するのかまではあまり語られません。
厚生労働省の「令和7年賃金構造基本統計調査」によると、部長級の平均年齢は53.1歳、平均勤続年数は22.6年でした。課長級は49.5歳で20.9年、係長級は45.4歳で17.5年です。同じ会社に20年以上いて、ようやく部長級の平均に届くという姿が見えてきます。
この記事では、役職別の賃金と到達年齢、非役職者との差、そして女性の賃金が前年から大きく伸びている点を確認していきます。
なお、公的年金の仕組みや平均受給額に関する詳しい解説は、下記の記事より一部を引用・参照しています。
- 部長級の平均年齢は53.1歳・勤続22.6年、課長級は49.5歳・20.9年、係長級は45.4歳・17.5年
- 非役職者を100とすると部長級204.8。ただし前年の207.1からは縮小している
- 女性部長級の賃金は前年比5.2%増。男性の0.9%増を大きく上回る
1. 【中間管理職の賃金一覧表】役職別の賃金と、そこに到達する年齢とは?
まずは金額と年齢をあわせて見ていきます。ここで扱うのは、残業代などを除いた月額の所定内給与(6月分・税引き前)です。
1.1 部長級は53.1歳、勤続22.6年が平均
令和7年賃金構造基本統計調査の役職別データ(男女計)は次のとおりです。
- 部長級:63万5800円/平均年齢53.1歳/平均勤続年数22.6年
- 課長級:52万9200円/49.5歳/20.9年
- 係長級:39万9200円/45.4歳/17.5年
- 非役職者:31万500円/41.8歳/10.8年
金額だけを見ると部長級と非役職者では月32万5300円の差がありますが、勤続年数には11.8年の開きがあります。役職は年収と同時に、その会社で過ごした時間の長さも映しています。
1.2 係長級から部長級までは7.7年の開きがある
平均年齢の差を見ると、係長級45.4歳から課長級49.5歳までが4.1年、課長級から部長級53.1歳までが3.6年です。係長級から部長級までは7.7年ということになります。
もちろん平均ですから、全員がこの順に進むわけではありません。ただ、40歳代半ばで係長級というのが平均的な姿だとすると、そこから10年近くかけて役職が上がっていく計算になります。老後資金を意識し始める50歳代は、ちょうど賃金が上がりきる時期と重なります。
2. 管理職と非役職者との差は、実は縮まっている
役職に就くことでどれだけ賃金が変わるのかは、非役職者を100とした指数で見ると分かりやすくなります。
2.1 部長級の指数は204.8。前年は207.1だった
非役職者の賃金を100としたときの指数は、次のようになっています。かっこ内は前年の数値です。
- 部長級:204.8(207.1)
- 課長級:170.4(169.1)
- 係長級:128.6(127.4)
部長級だけが前年より下がっています。部長級の賃金が減ったわけではなく、非役職者の賃金が2.5%上がったのに対して部長級が1.4%の伸びにとどまったためです。
近年は初任給の引き上げや若手の待遇改善が続いており、非役職者側の水準が上がっています。その結果、役職に就くことで得られる上乗せの割合は、少しずつ小さくなっている面が見られていると考えられます。
3. 女性の賃金の伸びが目立つ
男女別に見ると、もう一つ変化が読み取れます。
3.1 女性部長級は前年比5.2%増
役職別の賃金を男女別に見ると、次のとおりです。かっこ内は対前年増減率です。
- 部長級:男性64万2400円(0.9%増)/女性57万8300円(5.2%増)
- 課長級:男性54万1400円(3.6%増)/女性47万300円(2.7%増)
- 係長級:男性41万900円(3.7%増)/女性36万5700円(3.3%増)
部長級では、女性の伸び率が男性を4.3ポイント上回りました。金額の差は月6万4100円残っていますが、縮まる方向に動いています。
女性部長級の平均勤続年数は20.0年で、男性の22.9年より2.9年短いという違いもあります。勤続年数の差が残っているなかで賃金が伸びているのは、注目してよい変化だと思います。
4. 役職別の賃金は、将来の年金にもつながる
役職別の数字は現役期の話ですが、老齢厚生年金の報酬比例部分は現役期の平均標準報酬額と加入期間で決まります。いま受け取っている賃金は、そのまま将来の年金額に反映される仕組みです。
公的年金の基本的な仕組みについては、LIMOの記事「【2026年最新・年金早見表】厚生年金・国民年金はいくらもらえる?平均受給額一覧と手取りのリアル!社会保険料・税金が引かれる「天引き」まで徹底解説」で詳しく解説されているため、要点を引用して確認しておきましょう。
公的年金制度は、しばしば「2階建て構造」に例えられます。これは、日本の年金制度が「1階」の国民年金(基礎年金)と、「2階」の厚生年金という2つの制度で構成されているためです。1階部分の国民年金は、原則として日本国内に居住する20歳以上60歳未満のすべての人が加入対象で、保険料は所得にかかわらず一律(2026年度は月額1万7920円)。保険料を40年間(480カ月)すべて納付すると、満額(2026年度は月額7万608円)を受け取ることができます。2階部分の厚生年金は、会社員や公務員のほか、パートタイマーなどで特定適用事業所に勤務し一定の要件を満たす人が国民年金に上乗せして加入します。保険料は収入に応じて変動し、受給額は加入していた期間や納付した保険料額によって個人差が生じます。
出所:【2026年最新・年金早見表】厚生年金・国民年金はいくらもらえる?平均受給額一覧と手取りのリアル!社会保険料・税金が引かれる「天引き」まで徹底解説
では、その年金は実際にいくらになるのでしょうか。
モデルケースの金額を「【国民年金+厚生年金】月15万円(年180万円)以上もらう人は何%?平均受給額を一覧で確認!私的年金の見直しで押さえておきたいポイント」から引用します。
- 国民年金(老齢基礎年金(満額)):7万608円(1人分)
- 厚生年金:23万7279円(夫婦2人分)
出所:【国民年金+厚生年金】月15万円(年180万円)以上もらう人は何%?平均受給額を一覧で確認!私的年金の見直しで押さえておきたいポイント
部長級の所定内給与63万5800円と比べると、現役期の収入と老後の収入には相応の開きがあります。役職に就いて賃金が上がる時期は、その差をどう埋めるかを考え始める時期でもあります。
役職に就くまでの年数を見ると、キャリアは思ったより長い時間で動いていることが分かります。いま管理職でなくても、勤続年数が積み上がる過程で賃金は上がる可能性もあります。あきらめる前に、自分がどの段階にいるのかを平均と並べて確かめてみてください。




