毎月の給料日、明細を開いて「厚生年金保険料」の引き額の大きさにため息をついたことはありませんか。
手取りを左右する社会保険料の仕組みを、給料明細や保険料額表でよく使われる「第21等級〜第28等級」の早見表とともに解説します。
- 厚生年金の個人負担額が「3万円台」から「4万円台」に変わるのは、月給33万円台〜42.5万円超のライン(第21〜28等級)
- ボーナスの比重を増やすと毎月の天引き額は抑えられる。4〜6月の給与が影響するのは毎月の標準報酬月額だけで、ボーナスの保険料には影響しない
- 40年間高い等級で納め続けると、老後に受け取る年金額は月2万円以上、年間約26.4万円増える計算になる
1. 【早見表】第21〜28等級の厚生年金天引き額一覧
日本年金機構の厚生年金保険料額表(令和8年度版)における第21〜28等級(月給33万円〜54.5万円未満)の標準報酬月額と、毎月の厚生年金天引き額(個人負担分9.15%)は以下の通りです。3万円台に乗る直前の第20等級と、参考として5万円台に乗る第29等級もあわせて掲載しています。
2. 天引き額が「3万円台→4万円台」へ変わるポイント
早見表の中でも、実際の給与水準に照らして特に押さえておきたいのが「3万円台」と「4万円台」の境目です。それぞれどのラインで切り替わるのかを具体的に見ていきましょう。
2.1 「3万円台」のライン(第21〜24等級)
月給33万〜42.5万円未満(年収目安:約396万〜510万円)になると、天引き額は3万1110円〜3万7515円と「3万円台」に入ります。最初に3万円台へ乗るのは第21等級(月給33万〜35万円未満)で、その直前の第20等級はまだ2万9280円と2万円台にとどまります。
2.2 「4万円台」のライン(第25〜28等級)
月給42.5万円(年収目安:約510万円)を超えると第25等級となり、天引き額が4万260円と「4万円台」に乗ります。そこから第28等級(月給51.5万〜54.5万円未満、年収目安:約618万〜654万円)まで、天引き額は4万260円〜4万8495円の「4万円台」で推移します。
2.3 参考:5万円台に乗る第29等級
月給54.5万円(年収目安:約654万円)を超えると第29等級となり、天引き額は5万1240円と「5万円台」に入ります。3万円台に乗る直前の第20等級(2万9280円)と比べると、月々で2万1960円、年間では26万3520円もの差になります。
3. 給与明細を確認する際のチェックポイント
早見表の数字は月給部分の天引き額ですが、実際の手取りを考えるうえではボーナス(賞与)にかかる保険料や、標準報酬月額が決まる時期も合わせて押さえておく必要があります。
3.1 ボーナスがあると毎月の天引き額は低くなる
同じ年収500万円でも「月給31万円(第20等級)+ボーナス125万円」の配分の場合、毎月の天引き額は約2.9万円に抑えられ、残りはボーナスから引かれます。
3.2 賞与にかかる厚生年金保険料の仕組み
ボーナスにも、月給と同じ18.3%(個人負担9.15%)の保険料率がかかります。ただし計算のもとになるのは支給額そのものではなく「標準賞与額」で、税引き前の賞与額から1000円未満を切り捨てた金額です。例えば先ほどの「ボーナス125万円」の場合、標準賞与額は125万円(端数なし)となり、個人負担分は125万円×9.15%=11万4375円が天引きされる計算になります。
標準賞与額には、1回の支給(同じ月に2回以上支給された場合は合算)につき150万円という上限も設けられています。150万円を超える部分には保険料がかからないため、仮に200万円のボーナスが出ても、保険料の計算上は150万円として扱われます。また、この「賞与」の扱いになるのは年3回以下の支給に限られ、年4回以上支給される賞与は毎月の給与と同じ「報酬」として標準報酬月額の計算に組み込まれる点にも注意が必要です。
3.3 「4〜6月の給与」が影響するのは毎月の給料のみ
4〜6月の平均給与で決まるのは、その年の9月〜翌年8月までの毎月の天引き額(標準報酬月額)です。ボーナス分の保険料は、支給のたびに標準賞与額へ直接9.15%をかけて計算するため、4〜6月の給料の水準によって変わることはありません。
「ボーナスからも厚生年金保険料が引かれるのは知っていても、150万円という上限や、1000円未満を切り捨てて計算する仕組みまで把握している方は意外と少ない印象です。年収が同じでも、月給とボーナスの配分次第で毎月の手取り感は変わってきますので、ご自身の給与体系がどちらの配分に近いかを確認しておくと、家計の見通しが立てやすくなります。
4. 健康保険・介護保険を入れた総額は「月6万〜8万円前後」
厚生年金が4万円台に乗り始める第25等級(月給44万円)の場合、健康保険料(約5%)や介護保険料(40歳以上・約0.8%)を合わせた社会保険料全体の天引き額は月6.5万円前後です。4万円台の上限にあたる第28等級(月給53万円)まで上がると、社会保険料全体は月8万円近くまで増える計算になります。

