3. 【Q&A】よくある疑問を5つ解説
ここからは、デジタル庁と政府広報オンラインの案内をもとに、疑問になりやすい点を順に見ていきます。
3.1 Q1 どんな給付金が受け取れるようになるのか
政府広報オンラインによると、確定申告の還付金や年金生活者支援給付金、高額療養費など、160種類以上の給付金等を年金振込口座で受け取れるようになります。
あらかじめ登録しておくことで、給付金等を受け取る際に口座情報を記入したり、通帳の写しを提出したりする手間がなくなります。
一方で、登録していない場合は受け取りのたびに手続きが増えることがあると案内されています。どちらを選ぶかは、手間と考え方のバランスによって変わってきます。
3.2 Q2 いつ届くのか
発送は2026年8月頃から2027年2月頃までの間に順次行われます。届く時期は人によって異なるため、まだ手元に来ていなくても対象外とは限りません。
対象になる方の条件については、LIMOの記事「【年金】8月から送付開始「意向確認書」の簡易書留《届く人・届かない人》の条件とは?公金受取口座の登録手続きと注意点を解説」から要点を引用して確認しておきましょう。
送付の対象となるのは、2026年4月15日時点で65歳以上(1961年4月16日以前生まれ)の年金を受給している方です。
出所:【年金】8月から送付開始「意向確認書」の簡易書留《届く人・届かない人》の条件とは?公金受取口座の登録手続きと注意点を解説
すでに公金受取口座を登録している方には、この意向確認書は届きません。
3.3 Q3 登録したくない場合はどうするか
登録を希望しない場合は、封筒に入っている「不同意申出書」に必要事項を記入して、郵便ポストへ投函します。提出期限は意向確認書の到着から45日以内です。
期限までに返送がない場合は、年金振込口座がそのまま公金受取口座として登録されます。
登録を希望する場合は手続きも書類の返送も不要です。動く必要があるのは、希望しない方だけということになります。
3.4 Q4 登録が終わったことはどう分かるのか
登録が完了するまでには約3か月から4か月かかります。完了するとデジタル庁から通知が届きます。
通知の形は2つあり、マイナポータルのお知らせか、「公金受取口座の登録等に関するお知らせです」と書かれたはがきです。
すぐに通知が来なくても、この期間を見込んでおけば慌てずに済みます。
3.5 Q5 あとから解除できるのか
登録した後でも、マイナポータルや金融機関の窓口などでいつでも解除できます。一度登録すると変えられない、という性質のものではありません。
また、年金振込口座ではなく別の口座を公金受取口座にしたい場合は、公金受取口座の登録手続きを別途行う方法があります。
4. 【元自治体職員の実感】窓口に持ち込まれても答えられない書類がある
ここからは、役場で国民健康保険と後期高齢者医療の担当をしていた立場から、感じていたことをお伝えします。
国から届いた封筒を手に、窓口へ相談に来られる方は少なくありませんでした。差出人が公的機関であれば、まず身近な役場に持って行こうと考えるのは自然なことだと思います。
ところが、制度によっては市区町村では取り扱いができないものがあります。この意向確認書もそのひとつです。
4.1 内容によって問い合わせ先が分かれている
デジタル庁は、市区町村の窓口、年金事務所、年金相談センターではこの件の問い合わせに対応できないと明記しています。
意向確認書や不同意申出書についての疑問は、意向確認書照会専用フリーダイヤル(0120-74-0011)が窓口です。一部のIP電話などでつながらない場合は050-3524-7372が案内されています。問い合わせの際は、意向確認書に記載されている照会番号が必要になります。
受付時間は平日8時30分から17時15分まで、休日明けの平日は19時00分まで、第2土曜日は9時30分から16時00分までです。オペレーターによる案内は2026年8月4日から2027年3月31日までの予定とされています。
公金受取口座登録制度そのものについての疑問は、マイナンバー総合フリーダイヤル(0120-95-0178、音声ガイダンス6番)が窓口になります。受付は平日9時30分から20時00分まで、土日祝は9時30分から17時30分までです。
5. 【対応策】届いたときに確認したい3つのこと
実際に封筒が届いたら、どう動けばよいのでしょうか。3つに絞ってお伝えします。
5.1 まず4点がそろっているか確かめる
意向確認書、ご案内、制度のお知らせ、目隠しシールの4点が入っているかを確認します。
意向確認書には照会番号が記載されています。問い合わせるときに必要になるため、捨てずに保管しておいてください。
5.2 記載された口座で問題ないかを見る
意向確認書には、現在の年金振込口座が記載されています。この口座が公金受取口座として登録されることになるので、その口座でよいかを確認しておきましょう。
別の口座にしたい場合や、そもそも登録を希望しない場合は、期限内に対応する必要があります。
5.3 不審な連絡には応じない
この制度に関して、電話やメールで口座情報を求めることはありません。
「登録の手続きが必要です」「口座番号を確認させてください」といった連絡があった場合は、いったん電話を切って、専用のフリーダイヤルに確認してください。
6. まとめにかえて
年金振込口座を公金受取口座として登録できる特例制度では、対象となる方に茶色の簡易書留が届きます。中身は意向確認書・ご案内・制度のお知らせ・目隠しシールの4点です。
登録されるのは金融機関名や口座番号など振込に必要な情報のみで、口座残高などの財産に関する情報は登録されません。登録を希望する場合は手続き不要、希望しない場合は45日以内に不同意申出書を返送します。
不安に感じる必要はありません。まずは封筒を開けて4点がそろっているかを確認し、記載されている口座を見るところから始めてみてはいかがでしょうか。
そのうえで分からないことがあれば、市区町村の窓口ではなく、専用のフリーダイヤルにお尋ねください。制度の運用や期限の取り扱いは変わることもあるため、最新の内容は必ずデジタル庁の案内や専用窓口で確認していただくのが確実です。
参考資料
太田 彩子