4. 【シミュレーション】保険料11年(132月)分の年金生活者支援給付金はいくらか
老齢年金生活者支援給付金は、納付済月数が480月に占める割合で金額が決まります。満額の月5620円を受け取れるのは、40年間納め切った方だけです。
取り上げるのは納付済期間が132月、年数にすると11年間のケースです。
4.1 月1546円、年1万8552円。20年間では37万1040円になる
計算の結果を並べると、次のようになります。
- 保険料納付済期間:132月(11年)
- 月額:1546円
- 年額:1万8552円
- 満額(480月)の月5620円との差:月4074円
- 20年間受け取った場合の累計:37万1040円
20年分の累計は37万1040円です。満額の方との差は月4074円で、年に置き換えると4万8888円の開きになります。
※計算式は5620円×納付済月数÷480で、円未満は四捨五入しました。このケースでは5620円×132÷480=1546円です。免除期間分の加算はこの金額に含まれていません。
132月に見合う老齢基礎年金は年23万3006円程度です。年金額そのものが低い水準にとどまるため、所得の要件はクリアしやすくなります。受給資格期間の10年は超えているので、年金の受け取り自体に不安はありません。
4.2 もう1年納めれば月1686円。増える額は年1680円
144月まで届くと、給付金は月1686円へ140円分かさ上げされます。年額は2万232円、20年分では40万4640円です。
とはいえ、任意加入や未納分の納付で12月分を積み増すとなると、保険料は令和8年度の月額1万7920円で計算して約21万5000円かかります。給付金の増加は年1680円ですから、この給付金だけを見れば回収には長い年数が必要です。それでも老齢基礎年金が年2万1182円ほど増えるので、合わせて考えれば10年ほどで釣り合います。
ただし免除期間の追納は、給付金だけを見ると減る方向に働きます。追納した月が「免除期間」から「納付済期間」へ移り、適用される単価が下がるためです。
全額免除・4分の3免除・半額免除の期間分は月1万1768円で、納付済期間分の5620円の約2.1倍が設定されています。老齢基礎年金は増えるので、追納の判断は年金本体の増え方を軸に置くのが現実的です。
4分の1免除の期間分は月5884円と、納付済期間分との差がわずかです。学生納付特例や納付猶予の期間はそもそも給付金の免除期間に入らないため、追納すれば給付金も上乗せされます。
※免除期間分の単価は昭和31年4月2日以後生まれの方の金額です。同年4月1日以前生まれの方は、全額免除・4分の3免除・半額免除の期間が月1万1734円、4分の1免除の期間が月5867円となります。
方法としては、60歳以降に国民年金へ任意加入する道と、保険料の免除や納付猶予を受けた期間を追納する道があります。任意加入が使えるのは原則60歳から65歳まで。受給資格期間を満たしていない方は、生年月日などの条件により70歳まで加入できる場合があります。追納の対象は承認された月の前10年以内の免除・猶予期間で、未納だった月は納付期限から2年以内であれば納付が可能です。
480月まではまだ348月分あります。まず見ておきたいのは加入履歴です。ねんきんネットなら月単位で追えるため、抜けている期間も探しやすくなります。
5. 【まとめ】年金生活者支援給付金は偶数月に上乗せ。ハガキ型の請求書を見落とさないために
年金生活者支援給付金は、公的年金と同じ偶数月に2カ月分がまとめて振り込まれます。2026年度は3.2%の増額改定となり、老齢の基準額は月5620円、障害は1級7025円・2級5620円、遺族は5620円です。
老齢の給付金では、65歳以上であること、世帯全員の市町村民税が非課税であること、前年の年金収入等が80万9000円以下であることの3点が問われます。基準額を少し超えた方には、補足的老齢年金生活者支援給付金という枠が設けられています。
受け取りには請求手続きが必要で、すでに年金を受給している方にはハガキ形式の請求書が薄緑色の封筒で届きます。要件に近い状況の方は、通帳の振込記録や届いた郵便物を確かめ、分からない点は年金事務所へ相談してみてください。
参考資料
- 厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」
- 日本年金機構「老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金の概要」
- 厚生労働省「年金生活者支援給付金制度」
- 日本年金機構「老齢基礎年金を新規に請求する方の請求手続きの流れ」
- 厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)が届いた方へ」
- 日本年金機構「年金はいつ支払われますか。」
- 日本年金機構「令和8年度の年金額および年金生活者支援給付金支給金額の改定について」
安達 さやか
