おひとりさまとして将来に不安を感じている方は、決して少なくありません。

実際、日本では生涯を通じて結婚しない人の割合が年々増加しています。

今回は、「おひとりさま」が増えている背景をデータで確認したうえで、実際に40代の方から寄せられたご相談と、ファイナンシャルアドバイザー・神田翔平からのアドバイスを紹介します。

ココがポイント
  • 50歳時点の未婚率は男性28.25%・女性17.81%(2020年)で、5年前の調査から男性は約3.5ポイント、女性は約2.9ポイント上昇
  • 介護にかかる費用は一時費用の平均が47.2万円、月額費用の平均が9.0万円、介護期間の平均が55.0カ月で、総額の目安は約540万円
  • おひとりさまは「一人馬力」であるからこそ、手元資金の整理・介護費用への備え・公的年金以外の収入源づくりを意識的に進める必要がある

増え続ける「おひとりさま」、50歳時点の未婚率は男女とも上昇

国立社会保障・人口問題研究所の「人口統計資料集」によると、2020年(令和2年)の「50歳時の未婚率」は男性が28.25%、女性が17.81%でした。5年前の2015年(平成27年)調査(男性24.77%、女性14.89%)と比べると、男性は約3.5ポイント、女性は約2.9ポイント上昇しています。

50歳時の未婚率の推移(男女別)1/2

50歳時の未婚率の推移(男女別)

出所:国立社会保障・人口問題研究所「人口統計資料集」(生命保険文化センター掲載データ)をもとにLIMO編集部作成

男性は約3割、女性は約2割が50歳の時点で結婚を経験していない計算です。

晩婚化・非婚化が進む中で、老後をひとりで迎える可能性は、誰にとっても他人事ではなくなっています。特に自営業やフリーランスとして働く方は、会社員のような厚生年金の上乗せがない分、老後資金への不安がより大きくなりやすい傾向があります。

神田 翔平
おひとりさまの資産形成のご相談は、年々増えている実感があります。

結婚している・していないにかかわらず、老後に必要な資金の考え方自体は大きく変わりませんが、おひとりさまの場合は世帯収入が一人分である分、資産形成のペースや万一のときの備え方をより意識的に設計しておく必要があります。

「老後はまだ先のこと」と先送りにせず、今の状況を前提に備えを始めておくことが、将来の安心につながります。

「一人馬力」だからこそ重い、介護費用への備え

おひとりさまの老後を考えるうえで特に大きな不安要素となるのが、介護費用です。

生命保険文化センターの調査(2024年度)によると、介護にかかる一時費用(住宅改修や介護用ベッドの購入など)の平均は47.2万円、月々の費用の平均は9.0万円(在宅の場合5.3万円、施設の場合13.8万円)となっています。

介護にかかる費用の目安2/2

介護にかかる費用の目安

出所:生命保険文化センター「生命保険に関する全国実態調査」(2024年度)をもとにLIMO編集部作成

介護を行った期間の平均は55.0カ月(約4年7カ月)で、一時費用と月額費用を単純に掛け合わせると、総額の目安は約540万円にのぼります。

配偶者や子どもと費用や労力を分担できる世帯と異なり、おひとりさまの場合はこうした負担を一人で担うことになる可能性が高く、資産形成と並行して介護への備えを考えておくことがより重要になります。

神田 翔平
約540万円という金額はあくまで平均であり、介護の内容や期間によって実際の費用は大きく変わります。
大切なのは「いくら貯めれば絶対に足りる」という正解を探すことではなく、資産形成を進めながら、介護保障を組み合わせられる商品なども選択肢に入れて、資産を大きく取り崩さずに済む備え方を考えておくことです。
特におひとりさまは、頼れる家族が近くにいない前提で備えを組み立てておくと安心です。

晩婚化・非婚化によっておひとりさまが増える一方で、介護や老後資金への備え方について、具体的に何から始めればよいか分からないという方も多くいらっしゃいます。次のページでは、実際に40代の方から寄せられたご相談と、ファイナンシャルアドバイザーからの具体的なアドバイスを紹介します。