40代に多い「銀行預金に置いておいてもお金が働いてくれない」への不安。ファイナンシャルアドバイザー・神田翔平が伝えたいこと

おひとりさまの老後資金や年金への不安は、実際の相談の場でもよく聞かれます。特に自営業などで将来の年金額に不安を抱える方からは、月10万円台の年金で暮らせるのかという声が多く寄せられます。

40代に多いお悩み相談は「銀行預金に置いておいてもお金が働いてくれない」

40代のお客様
40代の自営業の女性です。将来の介護や老後資金に漠然とした不安を抱えています。独身で子どもはおらず、手元に数百万円規模のまとまった資金はありますが、銀行預金に置いたままになっています。「銀行預金に置いておいてもお金が働いてくれないので、物価上昇に勝てるような場所でお金を働かせてあげるのが大切です」というのが、最初の率直な気持ちです。

当初は漠然とした不安からNISA口座を開設したものの活用できておらず、手元資金と運用資金のバランスにも悩んでいました。将来に向けて何か始めなければと思いながらも、具体的な一歩を踏み出せずにいたのです。その後は、ご自身のライフステージに合った備え方を知ることで、少しずつ前向きに選択肢を検討できるようになっていきました。

このように、将来への不安はあっても、何から手をつければいいか迷って立ち止まってしまうという方は少なくありません。

【ファイナンシャルアドバイザー・神田翔平が回答】お金を働かせながら備えるおひとりさまの老後対策

神田 翔平
独身世帯の場合は、老後資金を準備することも大切ですが、一人馬力であることを考慮してあげましょう。自分に何か万が一のことがあった際に、予定外の出費が発生してしまう以外にも、老後に向けた資産形成もストップしてしまうリスクもあります。
資産を増やしていくことだけではなく、積立を継続できるような仕組みづくりも資産形成のプランの中に組み込んでいきましょう。
例えば、変額保険などは万が一の保障として保険料の払い込み免除機能を付加できるものもあります。また、介護保障などもセットで付加できる場合もあるため、自分に何かあった際の備えとしても活用できます。

ポイント1:手元に残すお金と運用に回すお金を切り分ける

まず見直したいのは、手元に残すお金と運用に回すお金の切り分けです。「手元に置く現金の目安が分かったので、運用に回す資金の金額を決められそうです」という気づきの通り、生活費の半年から1年分を目安に手元に残す現金を確保することが大切です。将来への不安から手当たり次第に資金を動かすのではなく、いざという時の生活防衛資金を確保することで、安心して長期的な備えに踏み出すことができます。これはどんな方にも共通する大切な視点になります。

ポイント2:介護費用への備えを考える

そのうえで目を向けたいのが、老後の大きな不安要素である介護費用への備えです。「介護や老後の資金について、自分の資産を減らさないことが非常に重要だと感じています」と話すように、ただ資産を取り崩すだけでなく、介護保障を備えながら運用できる商品などを活用する選択肢があります。介護期間が長期にわたる可能性も考慮すると、自分の資産を守りながら最低限の備えをしておくことは、おひとりさまの老後において若い頃以上に大切になります。

ポイント3:公的年金以外の収入源を作る

また、公的年金以外の収入源をどう作るかも重要です。「お金にも働いてもらって、定期的に利息が受け取れるのがポイントですね。将来的に仕事の収入が減っても、プラスアルファの収入があると安心です」と気づいたように、運用を通じて定期的な収入源を作ることも有効な手段です。元気なうちは運用で資産を育てつつ、将来の収入減に備える仕組みをあらかじめ作っておくことは、ゆとりある老後生活の大きな支えとなります。

ポイント4:運用益の受け取り方に注意する

さらに注意したいのが、運用益の受け取り方です。「月々受け取るタイプの保険は雑所得になるため、将来の社会保障や医療費負担に影響する可能性がある。税制優遇のある一時所得や複利運用を検討した方が良い」という理解は、将来の手取り額を守るうえで非常に重要です。目先の受け取りやすさだけで選ぶのではなく、将来の税金や社会保険料への影響まで考慮して最適なバランスを見つけることが、より確実な老後対策につながります。

老後資金が足りるか不安だと決めつける前に、手元資金の整理、介護への備え、定期収入の確保、そして税制への影響を一つずつ整理してみることが、おひとりさまの安心できる老後対策の出発点になります。

参考資料