3. 貯蓄500万円を月3万円ずつ取り崩すと資産寿命は13.9年
ここからは、年金と支出の差額が月3万円ある人を想定し、貯蓄500万円をどのくらいの期間で使い切る計算になるのかを確かめます。
取り崩すペースが決まれば、資産が尽きる時期はおおよそ見通せます。
3.1 【試算】貯蓄500万円を月3万円ずつ取り崩した場合の資産寿命
- 貯蓄額:500万円
- 毎月の取り崩し額:3万円
- 年間の取り崩し額:36万円
- 資産寿命:13.9年
- 65歳から始めた場合:78歳頃まで
65歳から取り崩し始めると、78歳頃に底をつく計算になります。70歳代のうちに貯蓄が尽きる想定であり、取り崩し額を抑えるか収入を確保する手立てを早めに考えておきたいところです。
※500万円÷(3万円×12)で求めた単純計算です。運用益や物価上昇、介護費用や住宅修繕といった突発的な支出は考慮していません。
取り崩し額を月1万円減らせば、資産寿命は6.9年延びます。毎月の支出を少し抑えるだけでも、持ちこたえる期間は大きく変わります。
3.2 運用しながら取り崩すと年率2%で16.3年に延びる
残った資産を年率2%で運用しながら取り崩す場合、資産寿命は13.9年から16.3年へと2.4年延びる計算です。65歳から始めたとして、78歳頃までだったものが81歳頃までになります。
ただし運用には値動きがあり、元本が保証されているわけではありません。想定した年率を下回る年もあれば、取り崩しの初期に大きく下落して想定より早く資産が減ることもあります。
使う予定が近い資金は運用に回さず現金で持つ、下落した年は取り崩し額を抑えるといった工夫で影響を和らげられます。生活費の半年分から1年分は現金で確保したうえで検討してみてください。
4. 年金月額と家計収支の差を早めに把握する
65歳以上の単身無職世帯では、実収入13万1456円に対して支出が16万1435円となり、毎月2万9980円が不足しています。年間にすると約36万円を貯蓄から取り崩す計算です。
一方で年金月額はライフコースによって6万1771円から17万6793円まで開きがあり、平均値だけを見ていても自分の家計は見通せません。
まずはねんきん定期便で自分の見込額を確かめ、いまの支出と並べてみることが、老後の備えを考える出発点になります。
参考資料
中本 智恵
