「投資FIREを達成して早期リタイアしたい」「老後は公的年金だけでなく、不労所得を得ながらゆとりを持って暮らしたい」と考えたことはありませんか?しかし内閣府の調査によると、60歳以上で配当や家賃収入といった財産所得を得ている人は、全体のわずか1割にとどまります。
60歳以上の半数以上が「ゆとりはないが、なんとか暮らしている」というギリギリの状態で生活しており、節約や貯蓄の切り崩しに頼るやりくりには限界があります。突発的な物価高や生活環境の変化に耐えるためには、早い段階から「資産運用による不労所得」の仕組みを作ることが不可欠です。
本記事では、内閣府の最新データをもとに60歳以上のリアルな収入事情や年金の平均受給額を整理し、新NISAなどを活用して効率よく不労所得を作るための考え方やお勧めの方法を分かりやすく解説します。投資FIREを現実のものとし、将来の安心を手に入れるための第一歩を踏み出しましょう。
- 60歳以上の不労所得の現実:配当金や家賃収入といった「財産からの収入」を得ている60歳以上の高齢者はわずか約1割にとどまる実態が把握できます。
- 高齢者の経済状況と年金平均額:60歳以上の半数以上が「ゆとりがないギリギリの状態」でやりくりしている現状と、公的年金の受給額のリアルがわかります。
- 新NISAを活用した不労所得のつくり方:厚生年金だけに頼らず、株式や投資信託などの資産を非課税制度で効率よく運用するポイントが理解できます。
1. 投資FIRE!不労所得と勤労所得の違い
私たちが働いて得る給料は「勤労所得」です。それに対し、はたらかないで得る所得を「不労所得」と分類します。
1.1 ふろう-しょとく【不労所得】
働かないで得る所得。利子・配当金・家賃・地代など。
出典:小学館「デジタル大辞泉」
たとえば、預貯金の利息や株の配当、土地や住宅の賃貸料といった「財産所得」と呼ばれるものですね。老後の継続的な収入源の確保を目的として、株式や不動産への投資を行う人に多いでしょう。
次は、内閣府の「令和6年度 高齢社会対策総合調査(高齢者の経済生活に関する調査)の結果」をみていきます。
2. 投資FIRE「不労所得」60歳以上で配当・家賃などがある人はどのくらいか
先述の調査では、60歳以上の男女を対象に、「収入の種類」に関する設問があります。
(※)当てはまるものすべてに回答
(※)配偶者と一緒に暮らす場合は、回答者と配偶者2人の状況を回答
では、結果を見ていきましょう。
2.1 投資FIRE「不労所得」がある人の割合は約1割
まず、回答者全体の「収入の種類」について見ていきます。
回答者全体(N=2188)
- 公的年金・・・75.7%
- 仕事による収入・・・44.6%
- 企業年金、個人年金等・・・23.3%
- 財産からの収入(利子、配当金、家賃、地代等)・・・10.6%
- 子や親族からの援助・・・4.6%
- 公的年金以外の公的な給付金・・・2.4%
- その他・・・2.4%
- 収入はない・・・2.4%
- 不明・無回答・・・1.4%
「財産からの収入」、つまり利子や配当金や家賃などの不労所得があるのは、回答者全体の約1割となりました。
3. 収入を増やす方法として「不労所得」を選択している人は約1割
収入を増やす方法についても見てみましょう。
最も多くの人が挙げているのは「節約等により支出を減らす」で、54.3%と半数以上を占めています。次いで「貯蓄を取り崩している」が40.2%、「自分が仕事をして収入を得る」が29.4%と続いており、日々の出費を抑えたり、これまで蓄えた資産を切り崩したりしてやりくりしている実態がうかがえます。
一方で、見出しにある「不労所得」に該当する「資産の運用・売却により必要な収入を得る」と回答した人は12.8%でした。また、「配偶者が仕事をして収入を得る」(9.8%)といった回答も一定数見られます。
この結果から、多くの人が節約や労働、貯蓄の取り崩しによって資金を捻出しているのに対し、投資などの資産運用(不労所得)によって収入を得ている人は全体の1割強にとどまっており、まだ少数派であることが分かります。
4. 経済的なゆとりの少なさと「不労所得」構築(投資FIRE)の必要性
次は「財産からの収入」がある人の割合を就労状況別に見ていきます。
現在の暮らし向きについて「心配なく暮らしている」と回答した人は全体の65.9%を占めています。しかし、その内訳を見ると「ゆとりがあり、まったく心配ない」人は14.8%にとどまり、51.1%は「ゆとりはないが、それほど心配なく暮らしている」のが実情です。また、「心配である」と答えた人も30.7%存在します。
表面的には約7割が平穏に暮らしているように見えますが、実際には「ゆとりのないギリギリの状態」で生活を維持している層が半数以上を占めています。不労所得(資産の運用・売却など)を選択する人が約1割にとどまる背景には、「現状なんとかやりくりできている」ことが、新たな行動へ踏み出すハードルになっている点が挙げられます。
しかし、労働収入や貯蓄の切り崩しだけに頼る状態では、突発的な環境変化に対応しきれません。「ゆとりがない」層が本当の安心を得て生活基盤を安定させるためには、労働以外の収入源となる「不労所得」を計画的に構築していく視点が重要となります。
5. 投資FIRE「不労所得月10万円」おすすめ4つの方法とは
それでは、どのような資産に投資をすれば、FIREを実現できるのでしょうか。
一口に資産といっても、さまざまなものがあります。
- 株式
- 債券
- 投資信託
- 収益不動産
こうした資産から得られる運用益や分配金は「不労所得」とも呼ばれます。これらの資産を運用するにはある程度まとまった資金が必要となるのは事実ですが、株式や投資信託に投資する際はNISA(少額投資非課税制度)を活用するのがおすすめです。
通常は約20%かかる運用益への課税が非課税になるため、手取りの不労所得をより効率的に増やすことができます。
こうした非課税制度とお好みの資産をうまく組み合わせて運用すれば、FIREを達成できる可能性はぐっと高まるでしょう。
6. 投資FIRE「不労所得」とあわせて老後の生活資金の柱となる「年金」の気になる平均受給額
ここで、老後の生活資金の柱となる年金の平均受給額も見ていきましょう。
「【2026年最新・年金早見表】厚生年金・国民年金はいくらもらえる?平均受給額一覧と手取りのリアル!社会保険料・税金が引かれる「天引き」まで徹底解説」から引用してご紹介します。
6.1 厚生年金の平均受給月額と金額別の分布状況(国民年金の金額を含む)
- 〈全体〉平均年金月額:15万289円
- 〈男性〉平均年金月額:16万9967円
- 〈女性〉平均年金月額:11万1413円
6.2 国民年金の平均受給月額と金額別の分布状況
- 〈全体〉平均年金月額:5万9310円
- 〈男性〉平均年金月額:6万1595円
- 〈女性〉平均年金月額:5万7582円
出所:「【2026年最新・年金早見表】厚生年金・国民年金はいくらもらえる?平均受給額一覧と手取りのリアル!社会保険料・税金が引かれる「天引き」まで徹底解説」
さらに詳しい金額別の分布状況を知りたい方は、以下の記事をご参照ください。
7. 投資FIRE「不労所得10万円」で厚生年金だけに頼らず老後資産を作ろう
現役世代、特に30~40代の人は、教育費や住宅ローンといった出費が多く、老後について改めて考える余裕はあまりないかもしれません。
しかし、老後を見据えた貯蓄は重要です。内閣府の「令和6年度 高齢社会対策総合調査(高齢者の経済生活に関する調査)の結果」によると、現在の貯蓄額は備えとして不足していると考える人が半分以上になっているのです。
たとえ定年まで働けたとしても、退職後の生活は続きます。公的年金や貯蓄に加えて、「財産所得」を形成するという視点も持ってみるといいでしょう。
8. 本記事の監修を終えて:新NISAで資産運用を行う元FP会社職員の監修者コメント
調査データにある通り、60歳以上で配当や家賃などの不労所得を得ている方はわずか1割と、非常に少ないのが日本の現状です。
内閣府の「令和6年度 年次経済財政報告」で日米の家計資産構成を比較してみても、アメリカの現金・預金比率が約12%にとどまるのに対し、日本は51%と過半数を現金・預金が占めています。この「現金・預金偏重」の傾向は、データのある1980年頃から見ても大きくは変わっていません。
実際、私がFP相談を受けていた現場でも、1000万円の大台を超える預貯金を保有している方がたくさんいらっしゃいました。しかし、その多くは投資性金融商品を利用したことがなく、「将来への不安から相談を機に資産運用を始めたい」というケースが大半だったのです。
資産を現金・預金だけで持ち続けることは、近年のインフレや物価高によって実質的な資産価値が目減りする大きなリスクを伴います。ただ預金するだけでは、投資FIREの実現や老後の「経済的なゆとり」を生み出すことは難しくなっています。
インフレに強い資産構造へシフトし、将来の安心と自由な暮らしを確固たるものにするためにも、本記事で紹介した新NISAなどの非課税制度を活用し、早い段階から無理のない範囲で資産運用を進めていきましょう。
参考資料
- 内閣府「令和6年度 高齢社会対策総合調査(高齢者の経済生活に関する調査)の結果(全体版)3.経済的な暮らし向きについて1/3」
- 内閣府「令和6年度 高齢社会対策総合調査(高齢者の経済生活に関する調査)の結果(全体版)3.経済的な暮らし向きについて2/3」
- 内閣府「令和6年度 高齢社会対策総合調査(高齢者の経済生活に関する調査)の結果(全体版)4.貯蓄、老後の備え等について2/3」
- 小学館「デジタル大辞泉」
齊藤 慧



