2. 発行額が1兆円突破!金利上昇で人気が高まる背景

個人向け国債は元本割れのない金融商品であることから、「元本割れのリスクがなくてこれくらいの金利がつくなら」と購入を検討する人が増えているようです。

また、1万円から購入できる手軽さや、国が発行するという信頼性の高さも、改めて注目を集めている要因のひとつかもしれません。

財務省の発行データによると、2026年の月別発行額は次のとおりです。

<2026年の月別発行額>
1月:5034億円
2月:7530億円
3月:8743億円
4月:7214億円
5月:9435億円
6月:7272億円
7月:6562億円
8月1兆177億円

1月に約5000億円だった発行額が8月には1兆円を突破しており、金利上昇とともに個人向け国債への資金流入が加速しています。

また現在、政府では個人向け国債をNISAの対象商品とする案や、保有者に対する相続税の優遇措置など、販売促進のための議論も行われています。

まだ議論の段階ではあるものの、実際に商品拡充が実現すれば、今後さらに発行額が増える可能性があります。

3. 新窓販国債も選択肢のひとつ。個人向け国債との違い

個人が購入できる国債には「新窓販国債」もあります。

新窓販国債は、毎月実施される国債の入札結果をもとに利率が決まり、2年、5年、10年の3種類があります。証券会社や銀行などを通じて購入でき、購入単位は5万円からと個人向け国債(1万円から)に比べてやや高めになっています。

なお、新窓販売国債は個人向け国債のように元本保証はなく、中途換金の際は市場価格での売却となるため元本割れのリスクがあります。

その一方、個人向け国債よりも金利が高い傾向にあり、利回りを重視する方には選択肢のひとつとなるでしょう。

4. 【元銀行員のアドバイス】中途換金の予定と金利で選定しよう

今回は最新の金利状況を踏まえた個人向け国債の特徴や選び方について解説しました。今回募集される個人向け国債の申込期間は2026年8月31日までとなっており、締め切りまで残り1週間を切っています。

個人向け国債は毎月募集が行われており、次回は2026年9月3日から30日まで、その後も10月、11月と同様のスケジュールで募集が予定されています。今回の募集に間に合わなくても、毎月購入のチャンスがあるため、資金計画に合わせて検討するとよいでしょう。

「個人向け国債」発行スケジュール2/2

「個人向け国債」発行スケジュール

出所:財務省「個人向け国債 発行スケジュール」

国債の種類や満期までの年数を選ぶ際は、「いつ換金するか」と「金利をどう評価するか」を中心に考えることがポイントです。たとえば、「中途換金の予定はなく、金利を重視したい」という場合は、新窓販国債を検討するのもひとつの方法です。

反対に、「元本を減らすリスクを抑えて安定的に運用したい」という方は、元本保証のある個人向け国債が向いているといえます。また、個人向け国債の変動10年は半年ごとに見直されるため、今後の金利上昇局面では受け取り利息が増える可能性があります。「今後金利が上昇していく」と考える方は、変動金利を検討するのもよいかもしれません。

運用に充てる資金の性質や確保できる運用期間なども踏まえたうえで、どの国債が合っているか考えてみましょう。

椿 慧理
個人向け国債は株式や投資信託のような大きなリターンは期待できませんが、生活防衛資金や直近で使う予定のある資金の預け先として非常に優秀です。特に変動10年は将来的なインフレへの備えとしても機能しやすいためポートフォリオの一部に組み込むことをおすすめします。金利環境の変化に敏感になりつつもご自身のライフプランを最優先に考えた資産づくりを進めていきましょう。

参考資料

椿 慧理