「まわりはうまくやっているのに、うちだけ苦しいのだろうか」—ひとりで家計を回していると、ふとそう感じることはないでしょうか。おひとりさまは比べる相手が身近にいない分、自分の状況を測りにくいものです。

不安をやわらげる第一歩は、客観的なデータで現在地を知ることです。まずは同世代のおひとりさまがどれくらい貯めているのかを年代別に確かめ、そのうえで、世の中の「生活意識」をみていきましょう。

今回は、30〜60歳代の単身世帯の平均貯蓄額と中央値を確認し、「生活が苦しい」と感じる世帯の割合をみていきます。

村岸 理美

FPの個別相談では退職金の運用を控えた60歳以上のお客様もいらっしゃいました。ご相談で強く感じたのは、お金の不安の多くは「まわりと比べること」から生まれるということ。でも、本当に見るべきは他人ではなく、自分の収入と支出です。

まずは同世代の数字をものさしにしつつ、わが家の収支に目を向けていきましょう。

ココがポイント
  • 30〜60歳代おひとりさまの平均貯蓄額と中央値
  • 「生活が苦しい」は全世帯で55.4%、高齢者世帯は52.1%(国民生活基礎調査)
  • 他人と比べず、自分の収支のどこに重さがあるかをみる

1. 【30〜60歳代おひとりさまの平均貯蓄額】中央値はいくらか?

金融経済教育推進機構(J-FLEC)が2025年に公表した「家計の金融行動に関する世論調査(2025年)」によると、単身世帯の金融資産保有額(平均・中央値)は、年代ごとに次のとおりです。

※金融資産保有額とは、預貯金だけでなく株式、投資信託、生命保険などを含んだ金額です。ただし、日常的に使う普通預金の残高は含まれていません。

1.1 30歳代おひとりさまの貯蓄額(平均・中央値)

  • 30歳代単身世帯:平均501万円/中央値100万円

30歳代のおひとりさまは平均501万円・中央値100万円。貯蓄のない人が32.3%、2000万円以上は5.9%です。

1.2 40歳代おひとりさまの貯蓄額(平均・中央値)

おひとりさま40歳代の貯蓄額2/4

おひとりさま40歳代の貯蓄額

出所J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査(2025年)」をもとにLIMO編集部作成

  • 40歳代単身世帯:平均859万円/中央値100万円

40歳代のおひとりさまは平均859万円・中央値100万円。貯蓄のない人が32.1%、2000万円以上は12.7%です。

1.3 50歳代おひとりさまの貯蓄額(平均・中央値)

おひとりさま50歳代の貯蓄額3/4

おひとりさま50歳代の貯蓄額

出所J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査(2025年)」をもとにLIMO編集部作成

  • 50歳代単身世帯:平均999万円/中央値120万円

50歳代のおひとりさまは平均999万円・中央値120万円。貯蓄のない人が35.2%と最も高く、2000万円以上は15.9%です。

1.4 60歳代おひとりさまの貯蓄額(平均・中央値)

おひとりさま60歳代の貯蓄額4/4

おひとりさま60歳代の貯蓄額

出所J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査(2025年)」をもとにLIMO編集部作成

  • 60歳代単身世帯:平均1364万円/中央値300万円

60歳代のおひとりさまは平均1364万円・中央値300万円。2000万円以上が21.1%まで増える一方、貯蓄のない人も30.4%です。どの年代も平均が中央値を大きく上回り、実感に近いのは中央値のほうです。

村岸 理美
30〜60歳代のおひとりさまは、どの年代も平均が中央値を大きく上回ります。他人と比べず、中央値を目安に自分の現在地をみましょう。次のページでは、「生活が苦しい」と感じる世帯の割合から家計の実感をみていきます。