6. 50代に多い「今から新NISAを始めても遅くないのだろうか」への不安。ファイナンシャルアドバイザー・川勝隆登が伝えたいこと

50代になり、定年退職の時期が少しずつ現実味を帯びてくる中で、「今から新NISAを始めても遅くないのだろうか」と不安を感じる方は少なくありません。老後資金の準備を急がなければという焦りがある一方で、投資期間が限られていることへの懸念や、万が一大きく減らしてしまったら取り返しがつかないのではないかという恐れから、なかなか一歩を踏み出せないという声をよくいただきます。

6.1 50代に多いお悩み相談は「今から新NISAを始めても遅くないのだろうか」

50代のお客様
50代の会社員です。同じような迷いを抱えています。これまでは預金を中心に手堅く資産を管理してきましたが、少しずつ運用に回せる余剰資金ができたため、話題になっている新NISAに関心を持ちました。しかし、いざ始めようとすると、「今までは手元の資金を貯めているだけで漠然とした不安があったが、投資となると年齢的に間に合うのか心配」というのが、最初の率直な気持ちです。定年までの約10年間という期間で、どのように積立を行い、リスクと向き合っていけばよいのかが分からず、立ち止まっています。

6.2 【ファイナンシャルアドバイザー・川勝隆登が回答】年齢に合わせたリスク分散で無理なく始める

川勝 隆登
年齢を理由に今からでは遅いと決めつける前に、制度の仕組みを正しく知り、ご自身の年齢やライフステージに合わせたリスク分散の方法を整理していくことが、50代からの資産形成の出発点になります。NISAを始める方が増えており、ネットではいろんな方の経験談や意見が飛び交っています。正しい情報を整理して理解を深めていくことが大切です。また、運用商品は日々変動しており、様々なリスクが伴います。商品によって特徴が異なるため、自分に合ったものを選び、リスクを管理していくことが計画的な資産形成で必要な要素となるでしょう。

6.3 ポイント1:新NISAの仕組みと非課税のメリットを正しく理解する

まず見直したいのは、新NISAの仕組みと非課税のメリットを正しく理解し、自分に合ったペースで活用することです。この方は当初、投資に対して漠然とした不安を抱えていましたが、制度の柔軟性を知ることで、「運用状況や新NISAの仕組みが理解できて安心した。これなら自分でも始められそう」と気づいたように、無理のない範囲の金額から積立をスタートする方針を固めました。50代からであっても、非課税メリットを活かしてコツコツと資産を育てていくことは、老後資金づくりの有効な選択肢となります。焦って大きな金額を投じるのではなく、まずは制度に慣れることから始めるのが大切です。

6.4 ポイント2:年齢に応じたリスク管理を意識する

そのうえで目を向けたいのが、年齢に応じたリスク管理の重要性です。積立投資を始める意向を固めた後、この方は「積立投資は長期で取り組むことが重要だが、自分の年齢を考えると、もう少しリスクを抑えた資産分散も考える必要がある」という理解に至りました。定年までの期間が20代や30代と比べて短い50代においては、ただ積極的に増やすことだけを目的とするのではなく、市場の下落リスクにも耐えられるような資産のバランスを考えることが、若い頃以上に大切になります。万が一の暴落時に資産が大きく目減りしてしまうと、老後の生活設計に直結しかねないからです。

6.5 ポイント3:リスクを抑える分散方法を組み合わせる

また、リスクを抑えるための具体的な分散方法を組み合わせることも有効です。積極的な運用と並行して、円資産の目減りリスクや投資信託の下落リスクを抑える方法を検討する中で、この方は「地味かもしれないけれど、大きくマイナスにならない手堅い方法と組み合わせることで、安心して続けられそう」と話すようになりました。最終的には、NISAでの積立と並行して、低リスクで中長期の資産形成に適した方法を組み合わせることで、全体のリスク分散を図る形に落ち着きました。このように、一つの制度に偏らず、値動きの異なる資産を組み合わせる視点が、安定した老後資金づくりには欠かせません。

年齢を理由に今からでは遅いと決めつける前に、まずは制度の仕組みを正しく知り、ご自身の年齢やライフステージに合わせたリスク分散の方法を一つずつ整理してみることが、50代からの資産形成の出発点になります。

参考資料

川勝 隆登