4. 【2026年8月開始】「公金受取口座登録の意向確認書」とは?注意点も解説
ここからは、年金を受給している方々にとって、今後の重要な手続きに関するお知らせです。
法改正により、現在年金の受取口座として利用している口座情報をデジタル庁に提供し、将来の給付金などを円滑に受け取るための「公金受取口座」として登録することが可能になりました。
この変更に伴い、2026年8月から「公金受取口座として登録することに同意するか」を確認するための意向確認書が送付されています。今後のスケジュールと対象者を時系列で見ていきましょう。
4.1 意向確認書の送付対象者について
書類の送付対象となるのは、「2026年4月15日時点で65歳以上であり、年金を受給している方」です。ただし、以下に該当する方には送付されません。
- すでに公金受取口座を登録済みの方
- 2026年4月に年金の支給がなかった方(全額支給停止、振込不能など)
- 日本国外に居住している方
- 共済組合などから支給される年金のみを受給している方
- 2025年6月以降の年金請求手続きで、公金受取口座への登録意思をすでに表明した方など
4.2 STEP2:詳細の公表と専用ダイヤルの開設(2026年8月上旬)
8月には手続きの詳細が公表され、疑問点に対応するための問い合わせ先として、8月4日(火)から「意向確認書照会専用フリーダイヤル」(0120-74-0011、つながらない場合は050-3524-7372)が開設されています。
受付時間は月曜が午前8時30分~午後7時、火~金曜が午前8時30分~午後5時15分、第2土曜が午前9時30分~午後4時までです(月曜が祝日の場合は翌平日まで午後7時対応、第2土曜以外の土日祝・年末年始は利用不可)。
マイナンバー制度全般に関する問い合わせは「マイナンバー総合フリーダイヤル」(0120-95-0178・音声ガイダンス6番、つながらない場合は050-3816-9405、平日午前9時30分~午後8時、土日祝午前9時30分~午後5時30分)でも受け付けています。なお、市区町村の役所や年金事務所の窓口では、この件に関する対応は行っていません。
4.3 STEP3:意向確認書の発送時期(2026年8月~2027年2月)
意向確認書は、日本年金機構から「簡易書留」の茶色い封筒で送付されます。郵便局員からの手渡しでの受け取りとなり、不在の場合は通常の郵便物と同様に不在票が投函されます。
発送は2026年8月から2027年2月(予定)にかけて、対象者の生年月日ごとに以下のスケジュールで順次行われます。
- 昭和36年4月~昭和30年10月生まれ:2026年8月頃
- 昭和30年9月~昭和25年3月生まれ:2026年9月頃
- 昭和25年2月~昭和21年7月生まれ:2026年10月頃
- 昭和21年6月~昭和16年3月生まれ:2026年11月頃
- 昭和16年2月~昭和13年2月生まれ:2026年12月頃
- 昭和13年1月~昭和6年4月生まれ:2027年1月頃
- 昭和6年3月以前生まれ:2027年2月頃
比較的若い年代(65歳になったばかりの方)から順に発送が始まり、生年月日をさかのぼる形で毎月対象者が切り替わっていく仕組みです。ご自身への到着時期の目安として確認しておきましょう。
同意・不同意はどうすればいい?
意向確認書への対応は、同意する場合は特に手続き不要で、何もしなければそのまま年金振込口座が公金受取口座として登録されます。
不同意の場合は、同封の「公金受取口座登録不同意申出書」を切り離し、目隠しシールを貼付したうえで返送期限までに返送する必要があります。
受け取ってから45日以内にこの返送がない場合は、自動的に「同意」したものとして扱われる点に注意しましょう
4.4 【要注意】手続きに便乗した詐欺の手口
この手続きで最も注意していただきたいのが、新しい制度の開始時期を狙った「詐欺」です。
「手続きを代行します」「登録には手数料が必要です」などと偽り、ATMの操作を指示したり、口座番号や暗証番号を聞き出そうとしたりする詐欺の発生が懸念されています。
日本年金機構などの公的機関が、電話で暗証番号を尋ねたり、ATMの操作をお願いしたりすることは決してありません。
少しでも怪しいと感じたら、すぐに電話を切り、ご家族や警察に相談するようにしてください。
5. まとめにかえて
本記事では、年金の改定や支給日のスケジュール、受給方法についても解説してきました。ねんきん定期便も年齢によって記載方法が変わりますので、しっかりと理解しておきましょう。
年金も受け取る年齢によって受給額が変わります。早めに受け取るのも良いですが、受給額を多めにしておくことで予定より長生きした場合のリスクを軽減できることもできます。
長く働ける人は年金の受給を遅らせるというのも老後資金の確保につながりますので、お金を貯めるのが難しい人は繰り下げ受給もひとつの方法として考えてましょう。
まずはねんきん定期便やねんきんネットでご自身の記録を確認し、税金や社会保険料の仕組みも含めて早めに理解しておくことが、安心できる老後づくりの第一歩です。分からない点があれば、お近くの年金事務所や年金相談センターに気軽に相談してみてください。
(※注1)厚生年金の被保険者は第1号から第4号まで区分されています。今回紹介している「第1号」は民間企業の会社員などを指し、「第2号」は国家公務員、「第3号」は地方公務員、「第4号」は私立学校教職員と分類されています。
参考資料
- 厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」
- 厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 国税庁「No.1600 公的年金等の課税関係」
- 政府広報オンライン「ご存じですか?年金受給者の確定申告不要制度」
- 日本年金機構「年金から介護保険料・国民健康保険料(税)・後期高齢者医療保険料・住民税および森林環境税を特別徴収されるのはどのような人ですか。」
- 日本年金機構「令和8年8月から年金振込口座の公金受取口座登録に関する意向確認書をお送りします」
- 日本年金機構「『ねんきん定期便』の様式(サンプル)と見方ガイド」
- 日本年金機構「年金の繰下げ受給」
渡邉 珠紀
