「日本年金機構」から「公金受取口座登録の意向確認書」という書類が順次届き始め、「届いたけれど何をすればいいのか分からない」と戸惑う方が増えています。

実はこの書類、受け取ってから45日以内に不同意の手続きをしなければ、年金振込口座の情報が自動的に「公金受取口座」として登録される仕組みです。

登録後に口座を変更しても、年金の振込先は自動的には変わらないなど、見落としやすい落とし穴も潜んでいます。

本記事では、9月・10月に書類が届く人の条件や45日ルールの注意点、あわせて増えている便乗詐欺への対策までを整理してお届けします。

※本記事は一部「【年金】8月から送付開始「意向確認書」の簡易書留《届く人・届かない人》の条件とは?公金受取口座の登録手続きと注意点を解説」を引用のもと執筆しています。

【年金】8月から送付開始「意向確認書」の簡易書留《届く人・届かない人》の条件とは?公金受取口座の登録手続きと注意点を解説
【年金】8月から送付開始「意向確認書」の簡易書留《届く人・届かない人》の条件とは?公金受取口座の登録手続きと注意点を解説

1. そもそも「公金受取口座登録の意向確認書」とは?

公金受取口座登録法の改正に伴い、日本年金機構は年金受給者に対して、「年金振込口座の情報をデジタル庁に提供し、公金受取口座として登録することに同意するか」を確認するための意向確認書を、2026年8月から順次、簡易書留で送付しています。

公金受取口座として登録されると、年金以外の給付金等も同じ口座で迅速かつ確実に受け取れるようになります。郵便局員から手渡しで受け取る簡易書留のため、不在時は不在票をもとに再配達を依頼する必要があります。

2. 9月・10月に届くのはどんな人?発送スケジュールと対象条件

2.1 私の書類はいつ届く?生年月日別の発送時期

意向確認書は対象者全員に一度に届くわけではなく、生年月日ごとに順次発送されており、2026年9月・10月は多くのシニア世代のもとへ書類が届くピーク時期にあたります。

  • 2026年9月頃に届く方:昭和30年(1955年)9月〜昭和25年(1950年)3月生まれの方(主に71歳前後の世代)
  • 2026年10月頃に届く方:昭和25年(1950年)2月〜昭和21年(1946年)7月生まれの方(主に76歳前後の世代)

意向確認書の発送スケジュール(生年月日別)2/3

意向確認書の発送スケジュール(生年月日別)

出所:日本年金機構「令和8年8月から年金振込口座の公金受取口座登録に関する意向確認書をお送りします」をもとにLIMO編集部作成

  • 昭和36年4月〜昭和30年10月(1961年4月〜1955年10月)生まれ:2026年8月頃
  • 昭和30年9月〜昭和25年3月(1955年9月〜1950年3月)生まれ:2026年9月頃(今月発送)
  • 昭和25年2月〜昭和21年7月(1950年2月〜1946年7月)生まれ:2026年10月頃(来月発送)
  • 昭和21年6月〜昭和16年3月(1946年6月〜1941年3月)生まれ:2026年11月頃
  • 昭和16年2月〜昭和13年2月(1941年2月〜1938年2月)生まれ:2026年12月頃
  • 昭和13年1月〜昭和6年4月(1938年1月〜1931年4月)生まれ:2027年1月頃
  • 昭和6年3月以前(1931年3月以前)生まれ:2027年2月頃

※上記は予定であり、地域や郵便事情等により前後する場合があります。

2.2 対象になるのはどんな人?対象外になるのはどんな人?

送付の対象となるのは、2026年4月15日時点で65歳以上(1961年4月16日以前生まれ)の年金を受給している方です。ただし、以下の要件に一つでも該当する場合は、生年月日にかかわらず送付されません。

  • すでに公金受取口座を登録している方
  • 令和8年4月に年金が支払われなかった方(全額支給停止、振込不能など)
  • 国外に居住している方
  • 共済組合等から支給される年金のみを受給している方
  • 令和7年6月以降の年金請求手続きにおいて、公金受取口座への登録意思表示をした方 など

3. 45日放置でどうなる?同意・不同意の手続きと自動登録の仕組み

登録を希望する場合、手続きは不要です。何もせずそのままにしておくと、年金振込口座の情報(金融機関名・口座番号等)やマイナンバーが自動的にデジタル庁へ提供され、登録されます。後日、デジタル庁から登録結果通知が届きます。

登録を希望しない場合は、意向確認書の下部にある「公金受取口座登録不同意申出書」を切り離し、同封の目隠しシールを貼って裏面の差出人欄を記入のうえ、記載された返送期限までに返送してください。

意向確認書を受け取ってから45日以内に不同意申出書の返送がない場合、登録に「同意」したものとみなされ、自動的に公金受取口座として登録されます。

たとえば9月10日に意向確認書を受け取った場合、45日後にあたる10月25日ごろまでに不同意申出書を返送しなければ、その時点で自動的に同意したものとして扱われる計算です。

手続きに関する問い合わせ窓口として、2026年8月4日から「意向確認書照会専用フリーダイヤル」が開設されています。市区町村の窓口や年金事務所の窓口ではこの件に関する対応を行っていないため、確認や相談は必ず専用フリーダイヤルへ行いましょう。

  • 意向確認書照会専用フリーダイヤル:0120-74-0011(通話料無料) ※IP電話等で利用できない場合:050-3524-7372(有料)
  • マイナンバー制度全般に関するお問い合わせ「マイナンバー総合フリーダイヤル」:0120-95-0178(音声ガイダンス:6番)
熊谷 良子

公金受取口座の意向確認書は「45日間放置すると自動的に同意とみなされる」という、従来の行政手続きにはあまり見られない仕組みが採用されています。

登録を希望する方には手続きの手間が省けるメリットがある一方、「口座を変更すれば公金受取口座も自動的に切り替わる」と誤解してしまう方も少なくありません。

実際には、公金受取口座の変更と年金振込口座の変更は別々の手続きです。どちらか一方だけ済ませたつもりで安心してしまうと、思わぬ手続き漏れにつながりかねません。

届いた通知や制度の仕組みを正しく理解し、ご自身の口座管理ルールを一度整理しておくことが、安心して手続きを進める第一歩になります。