6. 「緑の封筒」が届いたら年金生活者支援給付金も確認

年金受給者に届く書類のなかで、手続きを忘れないよう注意したいものに「年金生活者支援給付金」があります。

これは、公的年金などの収入が一定基準以下の人に対し、年金に上乗せして支給される恒久的な制度です。

2026年4月分から3.2%増額され、改定後の金額は6月の支払いから反映されています。

2026年度:年金生活者支援給付金の月額4/4

2026年度:年金生活者支援給付金の月額

出所:厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」をもとにLIMO編集部作成

2026年度の給付基準額について、日本年金機構は次のように説明しています。

老齢年金生活者支援給付金(月額):5620円(※基準額)

障害年金生活者支援給付金(月額):1級7025円・2級5620円

遺族年金生活者支援給付金(月額):5620円

老齢の基準額は、前年度の月額5450円から170円増えて月額5620円になりました。

※これらの金額は基準額であり、実際の支給額は保険料の納付済期間や免除期間等に応じて個別に算出されるため、全員が一律でこの金額になるわけではありません。また、遺族年金生活者支援給付金は子が2人以上で受給する場合、人数で按分されます。

6.1 【シミュレーション】基準額が170円増えたことで、年間の受給額はいくら増える?

老齢年金生活者支援給付金の基準額が月額5450円から5620円に増えたことで、年間の受給額がどれだけ変わるかを試算してみましょう。

  • 改定前(月額5450円)の年間受給額:5450円×12カ月=6万5400円
  • 改定後(月額5620円)の年間受給額:5620円×12カ月=6万7440円
  • 年間の増加額:6万7440円-6万5400円=2040円

月額では170円という小さな増額でも、年間に換算すると2040円の増加になります。もっとも、これはあくまで基準額どおりの試算であり、実際の受給額は保険料の納付済期間や免除期間によって個人ごとに異なります。

6.2 給付金は請求が遅れると過去分を受け取れないことがある

年金生活者支援給付金は、自分で請求手続きを行う必要があります。

新たに支給対象となる可能性がある人には、日本年金機構から毎年9月上旬以降、はがき形式の請求書が入った緑色の封筒が順次送付されます。

原則として、請求した月の翌月分から支給されます。

ただし、請求時期などによってはさかのぼって支給される場合もあるため、届いた請求書に記載された期限を確認し、早めに手続きしましょう。

本来受け取れた過去の期間について、さかのぼって支給されない点には注意が必要です。

高齢の親がいる場合は、実家に緑色の封筒が届いたままになっていないか、一度確認しておくとよいでしょう。

川勝 隆登

意向確認書と年金生活者支援給付金には、共通する落とし穴があります。それは、どちらも「本人が動かなければ何も変わらない、あるいは受け取れない」制度だという点です。意向確認書は放置すると自動的に登録される一方、年金生活者支援給付金は放置すると受け取れないままになる——結果は逆ですが、どちらも「知らずに放置していた」ことが原因で不利益を被る構造は同じです。

とくに離れて暮らすご家族がいる場合は、意向確認書・年金生活者支援給付金のどちらの封筒も、届いていることに本人が気づいていないケースが少なくありません。帰省の際などに、届いた郵便物のなかにこうした封筒が混ざっていないか、一緒に確認してみることをおすすめします。

7. 年金に関する書類は「届いたら確認」が基本。制度ごとの手続きを整理しておこう

本記事では、2026年8月から順次送付される公金受取口座登録の意向確認書を中心に、年金生活者支援給付金の請求手続きについて解説しました。

年金に関する制度は、何もしなくても進む手続きがある一方、自分から請求・返送しなければならないものもあり、対応方法は一様ではありません。

とくに意向確認書は、登録を希望しない場合には一定期間内の返送が必要であり、年金生活者支援給付金も対象となる場合は請求手続きが必要です。

届いた書類を放置せず、制度ごとの期限や手続き方法を確認しながら、自分や家族の状況に合った対応を検討していきましょう。

参考資料

川勝 隆登