8. 年金だけに頼らない、老後の家計づくりを
ここまで見てきたとおり、高齢者世帯の所得は平均で6.8%伸びましたが、その伸びを支えたのは働いて得た収入と財産所得でした。年金収入が中心の65歳以上・無職夫婦世帯では、手取りがむしろ918円減っており、統計上の改善と実感のズレはここから生まれています。
貯蓄の中央値1777万円は、いまのペースで約34.9年もつ計算ですが、赤字が月8376円増えただけで、もつ年数は8.6年も短くなりました。貯蓄額そのものが変わらなくても、毎月の赤字額しだいで資産寿命は大きく変動します。
「平均は増えているのに、なぜ我が家は苦しいのか」という声は少なくありません。統計の伸びと実感のズレは、多くの世帯が抱える共通の悩みです。
大切なのは、平均や中央値と自分の家計を比べることではなく、ご自身の資産寿命を実際の数字で把握することです。年に一度、振込額と支出を確認する習慣をつけておくだけでも、将来への備え方は大きく変わってきます。
大切なのは、平均や中央値と自分の家計を比べることではなく、ご自身の資産寿命を実際の数字で把握することです。年に一度、振込額と支出を確認する習慣をつけておくだけでも、将来への備え方は大きく変わってきます。
参考資料
- 厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」
- 厚生労働省「2025(令和7)年 国民生活基礎調査の概況」
- 厚生労働省「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」
- 総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)2025年(令和7年)平均結果の概要」
- 総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)2024年(令和6年)平均結果の概要」
- 総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)2025年(令和7年)平均結果の概要(二人以上の世帯)」
- 総務省統計局「統計からみた我が国の高齢者(統計トピックスNo.146)」
- 日本年金機構「令和6年10月の年金支払いにかかる年金振込通知書を送付しています」
小西 雅美
