受け取れるお金について考えるときは、制度の名前だけでなく、ご自身の仕事や家族の状況に合うかを確かめたいところです。高年齢雇用継続給付、再就職手当、高年齢求職者給付金と加給年金を順に見ていきます。
本記事では、制度の違いを押さえながら、ご自身や家族の状況と照らして確認したい点を紹介します。あわせて、働きながら受け取る年金の調整についても見ていきます。
なお、高年齢雇用継続給付、再就職手当、高年齢求職者給付金と加給年金と在職中の年金調整に関する詳しい解説は、下記の記事より一部を引用・参照しています。本文中の引用部分は引用ブロックで示しています。
働くシニアは、雇用保険の給付と年金の調整をあわせて見ておきましょう。まずは自分や家族の状況を整理し、どの制度や手続きが関係するかを確かめてみましょう。金額だけで判断せず、利用するための条件や準備することを順に確認しておくと安心です。
さまざまな制度を上手に活用することで、老後の生活にかかるお金への不安を軽減することにも繋がっていきます。
1. 60歳以降の収入ダウンを支える「高年齢雇用継続給付」
定年後も仕事を続ける場合、賃金がそれまでと変わることがあります。高年齢雇用継続給付は、一定の要件を満たした人が、賃金の下がった状態で働き続ける際の支援です。
- 対象者:雇用保険の被保険者期間が5年以上ある60歳以上65歳未満の雇用保険の被保険者
- 支給条件:賃金が60歳到達時の75%未満となった状態で働き続ける場合
- 支給額:最高で賃金額の10%(※)相当額
※2025年3月31日以前に高年齢雇用継続給付の支給要件を満たす人は15%
年齢だけでなく、雇用保険の加入期間と賃金の低下についても確認が必要です。支給要件を満たした時期によって給付率が異なることにも注意しましょう。
厚生年金に加入し、老齢年金と高年齢雇用継続給付を受け取る場合は、在職による支給停止に加え、標準報酬月額の最大4%相当の年金が支給停止になります。2025年3月31日以前に支給要件を満たす人は6%です。
2. 退職後の心強い味方!60歳代向け「2つの雇用保険関連手当」
2.1 早い再就職につながった場合
再就職手当は、基本手当の受給資格がある人が早期に再就職する場合などの制度です。給付率は、就職前に残っている支給日数によって決まります。
- 対象者:雇用保険受給資格者で基本手当の受給資格がある人
- 支給要件:対象者が雇用保険の被保険者となる、または事業主となって雇用保険の被保険者を雇用する場合で、基本手当の支給残日数(就職日の前日までの失業の認定を受けた後の残りの日数)が所定給付日数の3分の1以上あり、一定の要件に該当する場合に支給
- 手当の額:就職等をする前日までの失業認定を受けた後の基本手当の支給残日数により下記のとおり給付率が異なります。(1円未満の端数は切り捨て)
- 所定給付日数の3分の1以上の支給日数を残して就職した場合は「支給残日数の60%」
- 所定給付日数の3分の2以上の支給日数を残して就職した場合は「支給残日数の70%」
2.2 離職後も仕事を探している場合
65歳以上の雇用保険加入者が失業した際には、高年齢求職者給付金があります。働く意思と能力があり、積極的に求職活動を行っていることなどが要件となります。
- 対象者:高年齢被保険者(65歳以上の雇用保険加入者)で失業した人
- 支給要件:下記の全ての要件を満たした人
- 離職の日以前1年間に被保険者期間が通算して6か月以上ある
- 失業の状態にある:離職し「就職したいという積極的な意思といつでも就職できる能力(健康状態・家庭環境など)があり積極的に求職活動を行っているにもかかわらず就職できない状態」を指す
- 支給額
- 被保険者であった期間が1年未満:30日分の基本手当相当額
- 被保険者であった期間が1年以上:50日分の基本手当相当額
この給付金は一括で支払われます。就業を続けるための給付と、失業後に仕事を探すための給付を取り違えないよう、今の状況に合わせて確認しましょう。

