2. 株価を押し上げる「光半導体」の構造的成長期待
これまでデクセリアルズの主力事業は、スマートフォンやノートPCのディスプレイに使われる「異方性導電膜(ACF)」や「反射防止フィルム(ARF)」といった製品でした。
しかし、世界的にスマホやPCの普及が一巡し、かつてのような倍々ゲームでの成長が見込みづらくなっているのが現状です。
そこで株式市場が新たに注目しているのが「光半導体(フォトニクス)」という領域です。
これは、電気信号と光信号を変換する半導体素子のことで、主にデータセンター内の光トランシーバーなどに組み込まれます。データ通信の高速化・大容量化に不可欠な部品です。
泉田氏は、この光半導体が昨今のAIブームと密接に絡んでいると解説します。
「AIって言うんだけど、確かにAIってデータセンター作ってその中にサーバーがあるからAI関連ではあるんだけど、AIど真ん中ではない。AIに必要なインフラ投資に関わる部品『データセンター銘柄』というわけですね」
つまり、直接的なAI開発企業ではなくとも、AIを動かすための巨大なデータセンターやサーバーの増設という「インフラ投資」の恩恵をダイレクトに受ける企業として、市場から再評価されているのです。
2.1 中計の大幅な上方修正が示すポテンシャル
この光半導体の成長ポテンシャルは、同社が発表した中期経営計画(2024-2028年度)の「リフレッシュ(見直し)」にも明確に表れています。
2026年3月期における光半導体の売上実績は103億円でした。会社側は当初、2028年度の光半導体の売上目標を150億円としていましたが、今回の見直しでなんと「325億円」へと大幅に上方修正しました。
わずか数年で実績の約3倍にまで急拡大させる強気な計画です。
全社売上目標1,640億円から見ればまだ一部に過ぎませんが、この強烈な成長モメンタム(勢い)こそが、株式市場の期待を惹きつけてやまない最大の理由となっています。
