2. 「増やさない」選択肢。繰下げ受給に潜むデメリットとは
年金を大幅に増額できる「繰下げ受給」制度ですが、利用を検討するうえで知っておきたいデメリットがあります。
日本年金機構が注意喚起しているポイントのなかでも、とくに影響が大きい2つを見てみましょう。
2.1 加給年金が受け取れなくなる
一定の要件を満たす年下の配偶者や子どもがいる場合、年金には「加給年金」が上乗せされます。これは家族手当のような位置づけで、令和8年度の配偶者加給年金額は年間24万3800円(特別加算を除く)に設定されています。
しかし、老齢厚生年金を繰下げて待機している間は、この加給年金もストップしてしまいます。
いくら自身の年金額が増えても、加給年金をもらい損ねては本末転倒だと考える人もいるでしょう。
2.2 税金や社会保険料の負担が増す
老齢年金収入も立派な「所得」であり、課税対象となります。年金額が増えれば、それに連動して所得税や住民税などの税金が高くなるケースがあります。
さらに、年金から天引きされる健康保険料や介護保険料の負担額も跳ね上がりかねません。
額面が増えても、天引きされる金額が大きくなり、結果的に「手取り額」は思ったほど伸びないという事態が起こり得るのです。
著者
LIMO編集部年金解説班は株式会社モニクルリサーチが運営する『くらしとお金の経済メディア ~LIMO(リーモ)~』において、地方自治体の公務員や生命保険会社等の金融機関にて勤務経験が豊富な編集者が中心となり、厚生労働省や官公庁の公開情報等をもとに公的年金(厚生年金保険と国民年金)、年金制度の仕組み、社会保障制度などをテーマに、丁寧で読者にとってわかりやすい記事の情報発信を行っています。
LIMO編集部年金解説班に所属する編集者は日本生命保険相互会社出身の村岸理美、地方自治体職員出身の太田彩子、株式会社三菱UFJ銀行と三井住友信託銀行株式会社出身の和田直子、株式会社三菱UFJ銀行出身の中本智恵、野村證券株式会社出身の宮野茉莉子、SMBC日興証券株式会社出身の安達さやか等のファイナンシャルアドバイザー経験者等で構成されており、表彰歴多数の編集者も複数在籍しており、豊富な金融知識をもとにした記事に定評があります。
CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)、一種外務員資格(証券外務員一種)などの資格保有者も多数在籍。生保関連業務経験者は過去に保険募集人資格を保有。(最新更新日:2026年6月17日)
監修者
二種外務員資格(証券外務員二種)記者/編集者/校閲者/
【保有資格】
ニ種外務員資格(証券外務員二種)・相続診断士・認知症介助士・終活ガイド資格1級保有。
【経歴】
二種外務員資格や相続診断士などの資格を保有し、「お金とくらし」にまつわる情報を専門的かつ丁寧に発信する金融メディア編集者・ライター。
早稲田大学第一文学部史学科卒。人文・社会系一般書籍、中学・高校社会科教材、就職試験問題の制作関連業務で15年以上の経験を持つ。また、大手人材派遣会社における採用管理業務などの実務経験もある。
現在は株式会社モニクルリサーチが運営する『くらしとお金の経済メディア~LIMO(リーモ)~』において、金融系メディアの編集者兼執筆者として、コンテンツ制作や編集を担当。
総務省「家計調査」・厚生労働省「厚生年金保険・国民年金事業の概況」・J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査」などの一次資料に基づくデータ記事の執筆に強み。
専門家と実務家が発信する金融経済ニュースサイト『LIMO&ファイナンス』でも記事執筆をおこなう。紙媒体での経験に加え、家族の介護を通じて得た知見を生かしながら、「お金とくらし」にまつわる情報を丁寧に発信している。(2026年7月9日更新)