2. 「増やさない」選択肢。繰下げ受給に潜むデメリットとは
年金を大幅に増額できる「繰下げ受給」制度ですが、利用を検討するうえで知っておきたいデメリットがあります。
日本年金機構が注意喚起しているポイントのなかでも、とくに影響が大きい2つを見てみましょう。
2.1 加給年金が受け取れなくなる
一定の要件を満たす年下の配偶者や子どもがいる場合、年金には「加給年金」が上乗せされます。これは家族手当のような位置づけで、令和8年度の配偶者加給年金額は年間24万3800円(特別加算を除く)に設定されています。
しかし、老齢厚生年金を繰下げて待機している間は、この加給年金もストップしてしまいます。
いくら自身の年金額が増えても、加給年金をもらい損ねては本末転倒だと考える人もいるでしょう。
2.2 税金や社会保険料の負担が増す
老齢年金収入も立派な「所得」であり、課税対象となります。年金額が増えれば、それに連動して所得税や住民税などの税金が高くなるケースがあります。
さらに、年金から天引きされる健康保険料や介護保険料の負担額も跳ね上がりかねません。
額面が増えても、天引きされる金額が大きくなり、結果的に「手取り額」は思ったほど伸びないという事態が起こり得るのです。
