6. 医療費の支払いが困難な場合に利用できる減額・免除制度

医療費の自己負担額の支払いが難しい状況にある場合、一部負担金の減額や免除といった支援制度を利用できることがあります。

適用条件は自治体ごとに異なりますが、一例として東京都では以下のようなケースが対象とされています。

東京都後期高齢者医療広域連合「一部負担金の減額・免除等」要件6/7

東京都後期高齢者医療広域連合「一部負担金の減額・免除等」要件

出所:東京都後期高齢者医療広域連合「一部負担金の減額・免除等」

  • 被保険者または世帯主が、震災や風水害、火災などの災害により、住宅や家財に著しい損害を受けたとき。
  • 世帯主または主たる生計維持者が、干ばつや冷害などによる農作物の不作で収入が著しく減少したとき。
  • 世帯主または主たる生計維持者が、事業の休廃止や失業などにより収入が著しく減少したとき。
  • 世帯主または主たる生計維持者が、重篤な病気や負傷で死亡、または心身に重大な障害を受けたり、91日以上入院したりしたとき(被保険者のみの世帯を除く)。

減額や免除が適用される期間は、申請日から最長で6カ月ですが、実際の期間は家計の状況などを考慮して個別に判断されます。

申請手続きは、お住まいの市区町村の窓口で受け付けています。

必要となる書類は申請理由や世帯の状況によって異なるため、事前に問い合わせておくと手続きがスムーズに進むでしょう。

7. 年々増加する「後期高齢者医療制度」の保険料負担

これまで後期高齢者医療制度の窓口負担割合について解説してきましたが、老後の家計を考える上では、毎月支払う「保険料」にも目を向ける必要があります。

厚生労働省の資料「後期高齢者医療制度の令和8・9年度の保険料率について」を確認すると、2026年度の被保険者1人当たりの平均保険料は月額7989円となる見込みです。

これは2024~2025年度の月額7411円と比較して578円の上昇となり、増加率は約7.8%にのぼります。

保険料が上昇する背景には、高齢化の進行に伴う医療費の増加や、制度を支える現役世代の人口減少があります。

このため、制度を維持するための負担は、高齢者を含む加入者全体で分かち合う形になっています。

さらに、2026年度からは「子ども・子育て支援金制度」が開始され、医療保険料に上乗せする形で支援金が徴収されることになりました。

後期高齢者医療制度の加入者についても平均で月額194円の負担が見込まれており、年金で生活する高齢者も対象です。

このように、後期高齢者医療制度では窓口での医療費だけでなく、保険料の負担も年々重くなっています。

老後の家計を計画する際には、医療費の自己負担とあわせて保険料の動向にも注意しておくことが大切です。