1. 資産増加の背景は「運用益」。新NISA拡大で広がる選択肢
J-FLEC(金融経済教育推進機構)が2025年12月18日に公表した「家計の金融行動に関する世論調査(2025年)」によると、二人以上世帯の金融資産保有額は平均1940万円、中央値720万円となり、前年と比べて大きく増加しました。
この資産増加の要因を見ていくと、給与収入の伸びや預貯金の積み増しだけでなく、「株式や債券の値上がりによる資産評価額の上昇」や「配当・利子収入」といった運用による成果が大きく寄与していることが分かります。
- 定例的な収入が増加したから:40歳代37.5%、50歳代26.6%
- 株式、債券価格の上昇により、これらの評価額が増加したから:40歳代38.4% 50歳代34.1%
- 配当や金利収入があったから:40歳代33.0% 50歳代29.5%
つまり、金融資産の増加は日々の節約や貯蓄努力だけによるものではなく、好調な市場環境を背景とした投資収益に支えられている側面が大きいといえるでしょう。
実際に40歳代では、「定例収入の増加」が37.5%だったのに対し、「資産評価額の上昇」は38.4%、「配当・利子収入」は33.0%となっています。
50歳代でもそれぞれ26.6%、34.1%、29.5%となっており、資産運用による恩恵が幅広い世帯に広がっている様子がうかがえます。
2. 新NISA開始後は口座数・買付額が大幅に増加
こうした資産運用の広がりを裏付けるように、金融庁が公表した「NISAの利用状況」によると、2025年6月末時点のNISA口座数は2696万口座となりました。
こうした資産運用の広がりを裏付けるように、金融庁が公表したデータによると、2025年12月末時点のNISA口座数は2826万口座となりました。
また、累計買付額は約71兆円に達しており、制度開始後も利用が大きく拡大していることが分かります。
これらの数字からは、資産形成の手段としてNISAを利用する個人が着実に増え、運用による恩恵が幅広い世帯に広がっている状況がうかがえます。
2.1 資産増加の背景には市場環境の影響もある
一方で、近年の金融資産増加は、家計努力だけによるものではありません。
株価上昇や配当収入の増加など、市場環境の追い風によって資産評価額が押し上げられた側面もあります。
そのため、資産額の増加を考える際には、給与収入や貯蓄額だけでなく、運用資産の有無や市場環境の影響も含めて見る必要があります。
こうした状況を踏まえたうえで、次は40歳代・50歳代の金融資産保有状況について詳しく見ていきましょう。
著者
LIMO編集部貯蓄解説班は株式会社モニクルリサーチが運営する『くらしとお金の経済メディア ~LIMO(リーモ)~』において、大手証券会社やメガバンク等の金融機関にて勤務経験のある編集者が中心となり、金融庁や総務省など官公庁の公開情報等をもとにお金の課題に寄り添う専門チームです。
主なメンバーは野村證券株式会社出身の宮野茉莉子、SMBC日興証券株式会社出身の安達さやか、地方自治体職員出身の太田彩子、株式会社三菱UFJ銀行と三井住友信託銀行株式会社出身の和田直子、株式会社三菱UFJ銀行出身の中本智恵、日本生命保険相互会社出身の村岸理美など。
編集者の多くは、金融機関にて個人リテール業務を経験。若年層からシニア層、富裕層に至るまで、幅広い顧客に対し、投資信託・保険を中心とした総合的なライフプランニングを実行してきた。なかには、リテール営業で社内トップの実績を持ち、行内で表彰された実力者も。人材育成や社内教育にも携わるなど、金融知識と実務経験の両面で信頼される編集者が在籍しています。
CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)、一種外務員資格(証券外務員一種)などの資格保有者も多数在籍。(最新更新日:2026年6月17日)
監修者
二種外務員資格(証券外務員二種)記者/編集者/校閲者/
【保有資格】
ニ種外務員資格(証券外務員二種)・相続診断士・認知症介助士・終活ガイド資格1級保有。
【経歴】
二種外務員資格や相続診断士などの資格を保有し、「お金とくらし」にまつわる情報を専門的かつ丁寧に発信する金融メディア編集者・ライター。
早稲田大学第一文学部史学科卒。人文・社会系一般書籍、中学・高校社会科教材、就職試験問題の制作関連業務で15年以上の経験を持つ。また、大手人材派遣会社における採用管理業務などの実務経験もある。
現在は株式会社モニクルリサーチが運営する『くらしとお金の経済メディア~LIMO(リーモ)~』において、金融系メディアの編集者兼執筆者として、コンテンツ制作や編集を担当。
総務省「家計調査」・厚生労働省「厚生年金保険・国民年金事業の概況」・J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査」などの一次資料に基づくデータ記事の執筆に強み。
専門家と実務家が発信する金融経済ニュースサイト『LIMO&ファイナンス』でも記事執筆をおこなう。紙媒体での経験に加え、家族の介護を通じて得た知見を生かしながら、「お金とくらし」にまつわる情報を丁寧に発信している。(2026年7月9日更新)