3. まとめにかえて

今回は、最新の調査結果をもとに、賃金・物価の現状や年収別の資産形成の実態について解説しました。名目上の給与が増加していても、物価高によって実質賃金が目減りしている現状では、生活に厳しさを感じるのは当然の流れと言えます。

特に高所得層が投資を巧みに活用して資産をさらに拡大させているデータは、運用の有無が将来の資産格差に直結していることも見受けられました。とはいえ、周囲の圧倒的な資産規模や投資割合に惑わされ、無理にリスクの高い運用に踏み切る必要はありません。まずは足元の家計を冷静に見直し、数ヶ月分の生活防衛資金をしっかりと確保することが、持続可能な資産形成の強固な土台となります。

その上で、新NISAなど少額からでも始められる制度を活用し、自身のライフステージに応じた「お金の置き場所」を賢く選ぶことが求められます。他人のデータと比較して焦るのではなく、自分の収入やリスク許容度に合った「攻めと守り」のバランスを見つけることが何より重要です。物価高という厳しい局面だからこそ、長期的な視点を持って、まずはできることから資産形成の一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

参考資料

村岸 理美