2. 5つの事業セグメントと「世界で売れる」エアコンの秘密
では、三菱電機は具体的にどのような事業で利益を生み出しているのでしょうか。同社の事業は大きく5つのセグメントに分かれています。
- インフラ(社会システム、電力会社向けエネルギーシステム、防衛・宇宙など)
- インダストリー・モビリティ(工場の自動化を担うFAシステム、自動車機器など)
- ライフ(ビルシステム、空調・家電など)
- デジタルイノベーション(DI)
- セミコンダクター・デバイス(パワー半導体など)
この中で、売上・利益ともに最大の規模を誇るのが「ライフ」セグメント内の「空調・家電」事業です。2026年3月期の実績では、このサブセグメントだけで売上高1兆6,103億円、営業利益1,038億円を稼ぎ出しています。
日本のエアコンがなぜこれほどまでに成長ドライバーになっているのか。インタビュワーが驚きを示すと、泉田氏は「基本、海外が伸びしろですよ」と述べ、地球温暖化や電気代高騰による省エネ需要を背景に、日本式エアコンが世界で売れる構造的理由を明かしました。
「ヨーロッパに行くと石の文化なので、建物ってやっぱり石でできてるんですよ。そういった建物に後付けで空調を入れようってなった時に、アメリカみたいにセントラルヒーティング、地下に大きなボイラーを置いて空調できるかっていうとできないんですよ」
石造りの建物に大きな穴を開けてダクトを通すのは困難です。そのため、室外機と室内機を細い配管でつなぐだけの「日本式エアコン」が非常に設置しやすく、欧州市場のニーズに合致しているのです。
競合のダイキン工業が企業買収を通じて現地のカルチャーに合わせた戦略をとる中、三菱電機もまた世界市場で大きな存在感を発揮しています。
