2. ガスタービン拡大、世界シェア2位に 中東リスクには注意
続いてガスタービン事業です。三菱重工業の主力で、市場の成長が同社の業績を押し上げています。ただし、こちらは中東リスクが絡むため注視も必要です。
ガスタービンは天然ガス発電の中核機関であり、電力需要が同市場を成長させています。電力需要はAIを背景に増加していますが、特に石油や石炭と比べ二酸化炭素の排出が少ない天然ガス発電が選好されやすくなっています。
三菱重工業はガスタービンの総合メーカーで、需要の受け皿として受注が拡大しました。エナジー事業の受注高は3年間で1兆1781億円増加し、うちガスタービン事業が8360億円を占めています。
足元の懸念点はイランです。天然ガスは埋蔵量の4割が中東で、三菱重工業もドバイに拠点を持ち事業を展開しています。イラン紛争ではホルムズ海峡が事実上封鎖されるなど、天然ガスが持つ地政学リスクが意識されやすくなっており、ガスタービン事業には思わぬ逆風が吹いた格好です。
なお、ガスタービンは水素やアンモニアといった次世代エネルギーへの転換が容易という特徴もあります。低炭素化が進展すれば、天然ガス以外の需要も見込めることは付け加えておきます。
