3. 民間企業と退職金を比較

国家公務員の退職金は、民間企業と比較して高いのでしょうか。それとも、低いのでしょうか。

厚生労働省中央労働委員会の「令和5年賃金事情等総合調査」によれば、入社以降同じ企業で勤め上げ、定年退職した際の退職金額は、以下のとおりです。

【民間企業の退職金額】

  • 大学卒:2139万6000円
  • 高校卒:2019万9000円

一方、国家公務員になり定年まで勤めた場合の退職金の平均は2246万4000円です。よって、国家公務員のほうが数百万円ほど退職金が多くなります。賃上げの効果により退職金も増える可能性があることから、現在この差は多少縮まっている可能性があります。

次章では、退職金の受け取りで注意したいポイントを解説します。

4. 気をつけたい「退職所得控除」

国家公務員は定年まで勤めれば多額の退職金を受け取れます。退職金とあわせてiDeCoで年金を用意している人もいるかもしれませんが、こうした人は退職所得控除の使い方には注意が必要です。

退職金やiDeCoの一時金は「退職所得」に該当し、実際に受け取った退職金から「退職所得控除」を差し引いた金額の半分を所得として算入します。

  • 退職所得控除
    ・勤続年数20年以上:800万円+70万円(勤続年数-20年)
    ・勤続年数20年未満:40万円×勤続年数

この退職所得控除については、ここ数年で制度改正が続いています。

  • iDeCo→退職金の順で受け取る場合:退職所得控除を再利用できるようになるまでの期間が5年から10年に変更(2026年1月1日から)
  • 退職金→iDeCoの順で受け取る場合:退職所得控除を再利用できるようになるまでの期間が15年から20年に変更(2022年から)

そのため、退職金やiDeCoを受け取るタイミングによっては、多額の所得税を支払わなければならない可能性があるのです。

国家公務員の定年は、2031年までに65歳へ段階的に引き上げられる予定となっています。また、iDeCoは75歳までに受け取る必要があります。退職所得控除をそれぞれの受取時に活用するのは難しくなったため、退職金で退職所得控除を活用し、iDeCoは年金形式で受け取るといった工夫が必要です。