バーチャルライバーグループ「にじさんじプロジェクト」を運営するANYCOLORは2022年6月14日、2022年4月期の決算を発表しました。

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出所:ANYCOLOR株式会社「2022年4月期 決算短信〔日本基準〕(非連結)」

出所:ANYCOLOR株式会社「2022年4月期 決算短信〔日本基準〕(非連結)」

業績は以下のようになりました。

  • 売上高:141億円(前期比+85.5%増)
  • 営業利益:41億円(同2.9倍)
  • 経常利益:41億円(同2.9倍)
  • 当期純利益:27億円(同3.0倍)

売上高や営業利益の伸びもさることながら、営業利益率も29.6%と高水準で、成長性・収益性の高さがうかがえます。

今回はこのANYCOLORの各種情報を振り返りながら、「ベンチャー企業の報酬」について考察していきます。

好業績のANYCOLOR、従業員の平均給与はいくらか

前述の通り、好業績のANYCOLORですが、こういったニュースを見ると、「ベンチャー企業で働くと、収入はどうなるのだろう」と疑問に思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

「儲かって利益が出ているベンチャーならば、収入も大企業を超えるはずだ!」
「儲かっているとはいえ、新興企業で経営が不安定なのだから、やはり大企業に勤めるのがいいだろう」

といったように、様々な見方が出てくることでしょう。

そこでまず、ANYCOLORの有価証券届出書(新規公開時)で従業員のデータを見てみます。

従業員の状況

  • 従業員数:216人
  • 平均年齢:30.2歳
  • 平均勤続年数:1.6年
  • 平均年間給与:457万円

平均年収は457万円であり、日本人の平均年収並みと言えるでしょう。

これを見ると、「あれ、儲かっている割にそんなに多くないな」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、上場したベンチャー企業の報酬について考える際は、もうひとつ「株式」も見なければならないのです。

平社員でも一気に富裕層の仲間入り

ANYCOLORの有価証券届出書(新規公開時)で、株主の状況を見てみると、従業員で株式※を保有している人も非常に多くいます。

※厳密には、株式のほか、新株予約権の対象となる潜在株式も含まれています。

リストに載っている株主限定で話をすると、持ち株数の1番多い従業員で24万株(うち潜在株式9万株)、1番少ない人で1万5000株(全て潜在株式)という状況です。

ANYCOLORの2022年7月15日の株価の終値が5740円なので、1万5000株の従業員は、約8600万円分の株式を取得できる権利を持っていることになります。

ただし、資産額がこの金額で確定しているわけではありません。

潜在株式の場合、取得する上で1株当たりあらかじめ決められた金額(行使価額)を会社に支払う必要があります。

また、株式なので日々市場価格は変動し、それに沿って資産額も変化します。

1年後、さらに増えている可能性もあれば、大きく目減りしている可能性もあります。

とはいえ、毎年のキャッシュの給与以外に、株式という形の報酬もあり、結果として普通の会社員を大きく上回る資産を得ている可能性は高いでしょう。

業績が好調で、上場を経たベンチャー企業の場合、このように平社員でも大きな資産を築くチャンスがあるということになります。

まとめにかえて

今回はベンチャー企業の従業員の収入事情について、ANYCOLORをサンプルに紹介しました。

いかがだったでしょうか。

就職先・転職先を選ぶうえで「平均年収」に着目する人は多いかもしれませんが、企業によってはこのように年収以外を見る必要のあるものもあります。

参考になれば、幸いです。

参考資料

石津 大希