デロイトトーマツグループは2022年7月11日、環境・社会・企業統治(ESG)に向けた関心が高まる中、日・英・米における業績連動報酬へのESG要素反映状況に関する調査結果を発表しました。

同調査によると、ESGの要素を役員報酬に連動させている日本の企業割合は、2020年度のデータで短期・長期インセンティブともに約15%にとどまったとのことです。

2021年度の英米の短期インセンティブ比率や英国の中長期インセンティブ比率と比較すると、日本は大きく下回っており、インセンティブの低さを背景に役員のコミットメントを十分高められていない可能性があると指摘しました。

具体的には、業績連動報酬にESG要素を反映している企業の割合は、以下のようになりました。

業績連動報酬にESG要素を反映している企業の割合(短期インセンティブ)

  • 日本:15%
  • 英国:77%
  • 米国:60%

業績連動報酬にESG要素を反映している企業の割合(中長期インセンティブ)

  • 日本:15%
  • 英国:45%
  • 米国:5%

ESG投資のスタイルと実際の投資パフォーマンスとの関係性はまだ議論・研究の余地があるテーマですが、金融市場でESG投資がトレンドとなり、ESGの考え方が重要とされつつあるのは事実です。

また、メディアでの露出などを背景に、ESGの考え方は個人投資家にも普及しつつあるのではないでしょうか。

加えて、金利相場や外国為替相場の変動が激しい中、投資チャンスと見込んで資産運用に対する姿勢をより強めている人もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで次からは、「シニアの貯蓄」をテーマに、日本の70歳以上の貯蓄事情を振り返っていきたいと思います。