総務省が公表した7月の消費者物価指数は前年同月比で3.1%上昇し、食料品を中心に値上がりが続いています。

年金世代の親を見ていると「物価高騰で毎日の生活が大変そうだ」と感じる人も多いことでしょう。

それと同時に、数十年後に自分が同じ状況になったときに本当に生活していけるのか、不安を抱かずにはいられません。

そこで今回は、シニア世代の年金以外の収入について各種データをもとに見ていきながら、現役世代からできる備えを考えていきます。

しっかり備えてもやってくるのが予期せぬ出費と言われる医療費。後半では年々増加する医療費についても具体的金額を見ていきましょう。

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1. いまどきシニアの就業率が高い理由とは?

いまどきのシニアは年金収入のみで生活をしているのでしょうか。

内閣府「令和7年版高齢社会白書」によると、65~69歳の男性の6割以上、女性の4割以上が就労中です。70歳代前半でも、男性の4割弱、女性の2割以上が仕事を続けています。

年齢を重ねるにつれて働く人の割合は少しずつ減少するものの、シニア全体で見ると就業率は徐々に高まっています。

厚生労働省「令和6年簡易生命表の概況」によると、日本人の平均寿命は、男性81.09年、女性87.13年。老齢年金世代である65歳以上のシニアにとって、「公的年金」と並んで「就労」は、長くなる老後の暮らしを支える重要な柱となっています。

一方で、60歳以降は給料が下がるケースが多く見られます。また、現役時代のように希望通りの仕事に就けなかったり、健康上の理由で働き続けることが難しくなったりすることもあるでしょう。

次の章以降では、シニアを対象とする給付金や手当などのうち申請しないと受け取れない、「雇用保険関連のお金」と「公的年金に上乗せされるお金」について、整理してお伝えしていきます。

国の支援制度を上手に使うことで、シニアライフを幸せに過ごす方法を模索していきましょう。