日本では物価上昇が続く中、「生活が苦しい」と感じる世帯が増加していますが、一方で、株価の上昇や少子化による相続などを背景に、「富裕層」とされる世帯数は年々増えているのが現状です。

「富裕層」と聞くと、高級車や高級ブランド、広い住宅などを思い浮かべる方も多いかもしれません。

しかし実際には、ブランドよりも体験に価値を見出す人や、収入が高くても支出を抑える姿勢の人も少なくありません。

では、どの年収ラインからお金を気にせず使うようになるのでしょうか。

本記事では、経済的にゆとりのある層の「お金の使い方」に注目し、その特徴を詳しく解説します。

また、資産額を基準とした「富裕層の定義」についても紹介していますので、ご自身の状況と照らし合わせて参考にしてみてください。

1. そもそも資産がいくらあれば「富裕層」になる?

まずは、資産額を基準とした「富裕層の定義」について確認していきましょう。

株式会社野村総合研究所では、世帯が保有する金融資産の合計から、不動産購入時のローンなどの負債を差し引いた「純金融資産保有額」に基づいて、全世帯を以下の5つの階層に分類しています。

この定義によると、純金融資産が1億円以上5億円未満の世帯が「富裕層」に該当します。

  • マス層:3000万円未満
  • アッパーマス層:3000万円以上5000万円未満
  • 準富裕層:5000万円以上1億円未満
  • 富裕層:1億円以上5億円未満
  • 超富裕層:5億円以上

では、資産1億円超のお金持ちは日本にどれくらいいるのでしょうか。

1.1 【富裕層】資産1億円超のお金持ちは日本にどれくらいいる?

株式会社野村総合研究所の調査によれば、純金融資産が1億円以上ある「富裕層」は2023年時点で165万3000世帯にのぼり、2021年の148万5000世帯から11.3%の増加となりました。

内訳を見ると、富裕層が153万5000世帯、超富裕層は11万8000世帯となっています。

なお、富裕層および超富裕層の合計世帯数は、調査が始まった2005年以降増加を続けており、それぞれの世帯数も2013年以降は一貫して右肩上がりの傾向が見られます。

そんな富裕層が多くなっている現代において、高額所得者層の「購買スタイル」も変化しつつあります。

次章では、経済的にゆとりのある層の「お金の使い方」について見ていきましょう。