日経平均株価は2021年2月頃からレンジ内での推移を続けており、2022年7月に入っても売り買いが交錯する展開は続いています。

こうした中、資産運用のパフォーマンスが冴えず、老後のお金について不安を持たれている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで今回は、老後の収益源のひとつである「厚生年金」に焦点を当て、「厚生年金で月30万円をもらう高額受給者の、現役時代の給料」を考察してみたいと思います。

厚生年金「月30万円」の高額受給者はどのくらいいるのか

厚生労働省が発表した「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をベースに、まずは厚生年金の平均月額の受給者数を1万円のレンジで見ていきましょう。

厚生年金の平均月額

  • 全体:平均年金月額:14万4366円
  • 男性:平均年金月額:16万4742円
  • 女性:平均年金月額:10万3808円

※国民年金の金額を含む

厚生年金の月額階級別の受給者数

  • 1万円未満:10万511人
  • 1万円以上~2万円未満:1万8955人
  • 2万円以上~3万円未満:6万6662人
  • 3万円以上~4万円未満:11万9711人
  • 4万円以上~5万円未満:12万5655人
  • 5万円以上~6万円未満:17万627人
  • 6万円以上~7万円未満:40万1175人
  • 7万円以上~8万円未満:69万4015人
  • 8万円以上~9万円未満:93万4792人
  • 9万円以上~10万円未満:112万5260人
  • 10万円以上~11万円未満:111万9158人
  • 11万円以上~12万円未満:101万8423人
  • 12万円以上~13万円未満:92万6094人
  • 13万円以上~14万円未満:89万7027人
  • 14万円以上~15万円未満:91万3347人
  • 15万円以上~16万円未満:94万5950人
  • 16万円以上~17万円未満:99万4107人
  • 17万円以上~18万円未満:102万4472人
  • 18万円以上~19万円未満:99万4193人
  • 19万円以上~20万円未満:91万6505人
  • 20万円以上~21万円未満:78万1979人
  • 21万円以上~22万円未満:60万7141人
  • 22万円以上~23万円未満:42万5171人
  • 23万円以上~24万円未満:28万9599人
  • 24万円以上~25万円未満:19万4014人
  • 25万円以上~26万円未満:12万3614人
  • 26万円以上~27万円未満:7万6292人
  • 27万円以上~28万円未満:4万5063人
  • 28万円以上~29万円未満:2万2949人
  • 29万円以上~30万円未満:1万951人
  • 30万円以上~:1万6721人

こちらのデータによると、厚生年金を月30万円以上受給している人は1万6721人となりました。

割合にして、全体の0.1%、1000人に1人という結果です。

では、この人達は、現役時代どのくらいの収入を得ていたのでしょうか。

厚生年金はどのように計算されるのか

受給額が30万円である人の収入を考察する前に、厚生年金の受給額がどのように計算されるのかを説明します。

厚生年金は、加入期間や報酬額に応じて納めた保険料により、受給できる金額が変化します。

厚生年金の年金額(報酬比例部分)の計算式は以下の通りです。

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出典:日本年金機構「令和4年度版 老齢年金ガイド」

出典:日本年金機構「令和4年度版 老齢年金ガイド」

  • (1)平成15年3月以前=平均標準報酬月額×7.125/1000×平成15年3月以前の月数
  • (2)平成15年4月以後=平均標準報酬額×5.481/1000×平成15年4月以後の月数
  • (1)+(2)=厚生年金の年金額(報酬比例部分)
  • ※7.125/1000および5.481/1,000は、昭和21(1946)年4月2日以後生まれの人の乗率

平均標準報酬月額は「月給の平均額」のことで、平均標準報酬額は「月給と賞与を合わせて12で割った額」です。

厚生年金「月30万円」の高額受給者は現役でいくらの報酬だったのか

それでは、厚生年金を30万円以上受給している人の報酬額について、平均標準報酬額のみを使って考察したいと思います。

<条件>
老齢基礎年金(国民年金)の満額:78万円
厚生年金:40年間加入

  • 厚生年金の報酬比例部分=360万円(月30万円)-78万円(国民年金部分)=282万円
  • 平均標準報酬額×5.481/1000×480月=282万円
  • 平均標準報酬額=約107万円
  • 107万円×12=1284万円

この計算では、年収が約1284万円以上の場合、厚生年金の月の受給額が30万円になるとわかります。

しかし、厚生年金の保険料には上限が設けられています。

現状、日本に月額30万円以上を受給している人がいるのは事実であるものの、今の現役世代が厚生年金を月30万円受け取るのは、難しいと思われます。

厚生年金だけに頼らない貯蓄術

年金の平均受給額などのデータについて振り返ってきました。

平均額を見て、どのようなことを感じられたでしょうか。

なかには、「少ないな、生活できるかな」と不安を抱かれた人もいらっしゃるかもしれません。

そこで、老後、年金だけに依存しないための貯蓄も重要となってきます。

昨今、銀行預金の金利は非常に低く、お金をすべて預金していては、効果的に資産を増やすのが難しい状況です。

そこで選択肢として考えたいのが、投資信託や株式などを活用した資産運用です。

もちろんリスクはありますが、その分銀行預金よりも高いリターンが期待できます。

また、金融商品の種類も非常に多く、皆さんそれぞれに合ったリスク・リターンの組み合わせを考えることもできます。

将来のお金の不安をなくすためにも、ぜひ参考にしてみてください。

まとめにかえて

「結局貯蓄も重要だけど、株式市場の動向が冴えないから、貯蓄も難しいのではないか」と思われる人もいらっしゃるかもしれません。

しかし、貯蓄は長期戦です。

今は耐え忍ぶタイミングと捉え、今回ご紹介した年金のデータも踏まえ、今できることをコツコツ積み重ねていきましょう。

参考資料

石津 大希