厚生年金の平均月額を1歳刻みで見ると、63歳の6万8758円に対して65歳は14万9862円。わずか2歳の違いで倍以上の差があります。
本記事では、厚生年金と国民年金の平均月額を60歳から89歳まで1歳刻みの一覧で確認し、この差がどこから生まれるのかを見ていきます。あわせて、平均年収300万円〜800万円で勤続38年の場合に年金月額がいくらになるのかも試算で確かめます。
1. 急増するシニア層と「年金収入」が果たす役割
厚生労働省が発表した「後期高齢者医療事業状況報告(2026年5月時点)」によると、75歳以上の医療制度を支える被保険者数は増加の一途をたどっています。60歳代での定年退職を経て75歳以上の後期高齢期へと移行する人口が一段と増える中、今後の生活設計に対する社会的な関心が高まっています。
特に医療費負担の変化や物価高への備えとして、60歳代から80歳代の各世代にとって年金収入が果たす役割は極めて重要です。
1.1 数字で見るシニア層の現在地
- 被保険者の全体数: 全国の被保険者数は約2082万人(2082万622人)に達し、前年同月比で2.1%増加しています。
- 75〜79歳の規模: 年齢層別では75〜79歳が約846万人(845万7126人)と最大のボリュームを占めています。
- 80歳代の人口構成: 80〜84歳は約546万人(545万5937人)、85〜89歳は約389万人(388万5620人)にのぼります。
- 低所得層の割合: 住民税非課税などに該当する低所得区分(低所得ⅠおよびⅡ)の対象者は約826万人(826万919人)に達しています。
1.2 平均受給額の把握が老後安心の鍵に
このように高齢化が加速する現代日本において、日々の生活基盤を直接支えているのが毎月の年金収入です。特に70代から80代へと年代が進むにつれて医療費や介護関連の負担も変化するため、実際の給付水準を把握しておくことが不可欠となります。続く次章では、気になる60歳代~80歳代の「平均年金受給額」の実態について詳しく解説していきます。
2. 【60歳代】1歳刻みでみる平均年金月額
ここからは、厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに、年齢別の平均月額を確認していきます。なお、以下で紹介する厚生年金の平均月額には国民年金部分も含まれています。
2.1 60歳代の厚生年金の平均月額
- 60歳:9万9664円
- 61歳:10万4455円
- 62歳:10万9323円
- 63歳:6万8758円
- 64歳:8万3901円
- 65歳:14万9862円
- 66歳:15万2378円
- 67歳:15万2356円
- 68歳:15万2709円
- 69歳:15万1284円
老齢年金の受給開始年齢は原則65歳です。65歳を境に、平均月額は14万円台後半から15万円台へと大きく上がっています。
64歳以下の金額が低めなのは、繰上げ受給を選択した人や、特別支給の老齢厚生年金の報酬比例部分のみを受給している人が含まれるためです。
2.2 60歳代の国民年金の平均月額
- 60歳:4万5186円
- 61歳:4万6371円
- 62歳:4万7784円
- 63歳:4万7258円
- 64歳:4万7896円
- 65歳:6万1240円
- 66歳:6万1369円
- 67歳:6万1345円
- 68歳:6万1293円
- 69歳:6万978円
65歳未満の受給者は、繰上げ受給を選んで早めに受け取り始めた人です。そのため、65歳以降と比べて月額が低くなっています。
3. 【70歳代】1歳刻みでみる平均年金月額
3.1 70歳代の厚生年金の平均月額
- 70歳:15万455円
- 71歳:14万8371円
- 72歳:14万6858円
- 73歳:14万5583円
- 74歳:14万7774円
- 75歳:15万1410円
- 76歳:15万1241円
- 77歳:15万962円
- 78歳:15万862円
- 79歳:15万3115円
70歳代の厚生年金は、いずれの年齢でも月額14万円台から15万円台に収まっています。
3.2 70歳代の国民年金の平均月額
- 70歳:6万1011円
- 71歳:6万770円
- 72歳:6万234円
- 73歳:6万32円
- 74歳:5万9813円
- 75歳:5万9659円
- 76歳:5万9555円
- 77歳:5万9349円
- 78歳:5万9124円
- 79歳:5万8676円
国民年金は、年齢が上がるにつれてわずかに下がる傾向が見られます。とはいえ、いずれも5万〜6万円台の範囲です。
4. 【80歳代】1歳刻みでみる平均年金月額
4.1 80歳代の厚生年金の平均月額
- 80歳:15万3729円
- 81歳:15万5460円
- 82歳:15万7744円
- 83歳:15万9994円
- 84歳:16万2555円
- 85歳:16万3947円
- 86歳:16万5577円
- 87歳:16万5557円
- 88歳:16万6200円
- 89歳:16万6767円
80歳代では、年齢が上がるほど平均月額が高くなる傾向が見られます。これは、その世代が加入していた当時の制度や、受給者の構成の違いによるものです。
4.2 80歳代の国民年金の平均月額
- 80歳:5万8623円
- 81歳:5万8269円
- 82歳:5万8003円
- 83歳:5万7857円
- 84歳:5万9675円
- 85歳:5万9425円
- 86歳:5万9228円
- 87歳:5万9204円
- 88歳:5万8756円
- 89歳:5万8572円
国民年金は80歳代でも5万8000円前後で推移しており、年齢による差は大きくありません。保険料が定額であるぶん、金額のばらつきが小さいという制度の特徴が表れています。
