5. 【年収別】勤続38年の場合、将来の年金はいくらになる?
ここまで見てきたのは、いま実際に年金を受け取っている人たちの平均額です。では、ご自身の年収に近い水準だと、将来はどのくらいになるのでしょうか。
「勤続38年」という条件をそろえたまま、平均年収だけを変えて試算した結果が以下の一覧です。
平均年収別の年金月額の試算7/8
※2003年4月以降に38年間(456か月)厚生年金へ加入し、国民年金の納付済期間も38年間と仮定してLIMO編集部が試算。経過的加算・加給年金は含みません。標準報酬月額の上限の影響は考慮していないため、あくまで目安としてご覧ください。
現役時代の平均年収別の年金受給額(目安)
- 平均年収 300万円の場合
- 厚生年金(月額):約5万2000円
- 国民年金(月額):約6万7000円
- 合計月額(額面):約11万9000円
- 平均年収 400万円の場合
- 厚生年金(月額):約6万9000円
- 国民年金(月額):約6万7000円
- 合計月額(額面):約13万6000円
- 平均年収 500万円の場合
- 厚生年金(月額):約8万7000円
- 国民年金(月額):約6万7000円
- 合計月額(額面):約15万4000円
- 平均年収 600万円の場合
- 厚生年金(月額):約10万4000円
- 国民年金(月額):約6万7000円
- 合計月額(額面):約17万1000円
- 平均年収 700万円の場合
- 厚生年金(月額):約12万1000円
- 国民年金(月額):約6万7000円
- 合計月額(額面):約18万9000円
- 平均年収 800万円の場合
- 厚生年金(月額):約13万9000円
- 国民年金(月額):約6万7000円
- 合計月額(額面):約20万6000円
ここから読み取れるのは、平均年収が100万円変わるごとに、将来の年金月額がおよそ1万7000円ずつ動くという関係です。
年収300万円と800万円では、毎月の年金額に約8万7000円、年間では約104万円もの開きが生じる計算になります。
一方で、土台となる国民年金の約6万7000円は年収にかかわらず共通です。年収差がそのまま年金差になるわけではなく、差がつくのは2階部分だけである点も押さえておきたいところです。
6. 65歳以降も働く場合の在職老齢年金
65歳以降も働きながら老齢厚生年金を受け取る場合、賃金と年金額の合計によっては年金の一部が支給停止となることがあります。これが在職老齢年金のしくみです。
- 基本月額と総報酬月額相当額の合計が65万円以下の場合:全額支給
- 基本月額と総報酬月額相当額の合計が65万円を超える場合:基本月額-(基本月額+総報酬月額相当額-65万円)÷2
基本月額は老齢厚生年金(報酬比例部分)を12で割った金額、総報酬月額相当額はその月の標準報酬月額とその月以前1年間の標準賞与額の合計を12で割った金額です。老齢基礎年金は支給停止の対象になりません。
2026年4月から、この基準額は月51万円から65万円へ引き上げられました。働きながらでも年金を満額受け取りやすくなったということです。
7. まとめにかえて
今回は、厚生年金と国民年金の平均月額を1歳刻みの一覧で確認してきました。
厚生年金は63歳で6万8758円、64歳で8万3901円である一方、65歳では14万9862円まで上がります。この差が生まれるのは、64歳以下の欄に繰上げ受給を選んだ方や、特別支給の老齢厚生年金の報酬比例部分のみを受給している方が含まれるためです。
65歳以降は15万円前後で推移し、70歳代では14万〜15万円台、80歳代では年齢が上がるほど高くなって16万円台に達します。国民年金は65歳以降おおむね6万円台で、年齢による差は小さく収まります。
また、勤続38年という条件で平均年収別に試算すると、年収300万円で合計月額は約11万9000円、800万円で約20万6000円。平均年収が100万円変わるごとに、年金月額はおよそ1万7000円ずつ動きます。土台の国民年金は年収にかかわらず約6万7000円ですから、差がつくのは2階部分だけです。
また、65歳以降も働きながら老齢厚生年金を受け取る場合の在職老齢年金は、2026年4月から基準額が引き上げられ、年金を満額受け取りやすくなりました。
不足を埋める手段としては、NISAやiDeCoなどの制度を利用して自分自身で少しずつ備えを作っていくことが、安心した老後への鍵となるでしょう。
