昨今、持続可能な開発目標(SDGs)に対する意識が強まり、企業が多様な人材を採用する中、女性の社会進出も進んでいます。
男女間の収入の格差も少しずつ是正されつつあるのではないでしょうか。
だだ、年金の受給額についてはいまだ大きな差がある状況です。
今回は、厚生労働省年金局「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」のデータをもとに、男女間の年金の差について振り返ります。
【注目記事】厚生年金と国民年金、年齢や都道府県が違うと受給額にどのくらい差が出るのか
1. 公的年金の仕組みをおさらい
まずは、年金の基礎知識をおさらいします。
日本の年金制度は、「2階建て構造」と呼ばれています。
1階にあたる国民年金(基礎年金)は、日本在住の20歳から60歳未満の全ての人が加入するものです。
年金保険料は定額制で、対象期間となる40年間ですべての保険料を支払えば満額を受け取ることができます。
ただし、納付期間が足りなければ、その分受給額は減ってしまいます。
一方、2階にあたる厚生年金は、公務員や会社員などが国民年金に上乗せする形で加入します。
厚生年金保険の適用を受けている事業者に雇用されることが加入の条件です。
対象年齢は原則70歳までで、下限はありません。
受給額は、加入期間や、報酬額に応じて決まる納付額によって左右します。
以上のことから、厚生年金については会社に就職しないことで「加入しない」という選択肢をとることもできます。
しかし、加入すれば上乗せとして加算されるため、国民年金のみの人よりも、年金を多く受給できるということになります。