錦秋の彩りが終わりを告げ、清々しい秋風が吹き渡る時節となりました。

「読書の秋」「食欲の秋」といった言葉に表されるように、何かに取り組むのに適しているとされるこの時期に、将来の暮らしについて考えるのもよいでしょう。

厚生労働省の「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」によると、「老後にゆとりがある」と感じている人はわずか4%ほどとなっており、多くの方は年金生活が厳しい状況にあるようです。

今回は、70歳代のシニア世代に焦点をあてて「貯蓄・生活費・年金」の平均はいくらなのか解説します。

1. 【シニアの生活意識】「生活が苦しい」と感じている割合は?

今のシニア世帯がどのような生活意識を持っているのか、厚生労働省「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」をもとに解説します。

この調査によると、高齢者世帯の生活意識は次のような結果となっています。

【高齢者世帯の生活意識】

  • 大変苦しい:25.2%
  • やや苦しい:30.6%
  • 普通:40.1%
  • ややゆとりがある:3.6%
  • 大変ゆとりがある:0.6%

「大変苦しい」と「やや苦しい」を合わせた割合は55.8%に達しています。

高齢者世帯では、生活意識として「普通」と答えた人よりも、生活が「苦しい」と感じている人の割合が多いことがわかりました。

では、70歳代の家計収支はどのようになっているのでしょうか。