生活保護制度は、経済的に困窮している人々が人としての最低限の生活を維持できるよう、国や自治体が生活費や医療費などを支援する仕組みです。
厚生労働省の最新の統計(2025年7月時点)によれば、生活保護を受けている人は全国で199万93人にのぼり、全人口に対する割合はおよそ1.61%となります。
経済格差や高齢化の進行などにより、多くの人が公的な支援を必要としている現状がうかがえます。
また、物価や賃金の上昇に対応するため、通常の生活保護費に加えて「特例的な生活扶助」として月1000円が上乗せ支給されていました。
そして、2025年10月からはこの特例措置による支給額が一段と引き上げられ「月1500円」が上乗せされています。
そこで本記事では、特例加算導入の背景と生活保護制度の概要をわかりやすく解説するので、参考にしてください。
1. 生活保護を受けられるのはどんな人?
まずは、そもそも生活保護はどのような人が受給できるのかを確認しましょう。厚生労働省「生活保護制度」によると、生活保護の受給対象者となる要件は以下のとおりです。
1.1 生活保護を受けるための要件
- 資産の活用:預貯金、生活に利用されていない土地・家屋等があれば売却等し生活費に充てること
- 能力の活用:働くことが可能な人は、その能力に応じて働くこと
- あらゆるものの活用:年金や手当など他の制度で給付を受けることができる場合、まずそれらを活用すること
- 扶養義務者の扶養:親族等から援助を受けられる場合、援助を受けること
上記の要件は、生活保護が最後の手段であることを明確にするためのものです。
これらの条件は、「生活保護があくまで最終的な支援策である」という原則を示しています。
たとえば、まだ使える貯金が残っている場合や、働けるにもかかわらず就労を避けている場合は、すぐに生活保護を受けることはできません。
また、年金や公的手当で生活できる見込みがある場合も、まずそれらを活用するよう求められます。
すべての手段を尽くしてもなお生活が立ち行かないとき、初めて生活保護の対象となることを理解しておきましょう。
2. 生活扶助基準額は2025年10月から「月額1500円」に引き上げへ!
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2025年9月までの生活保護では、物価上昇や賃金変動に対応するため、通常の支給額に加えて月1000円の特例的な加算が行われていました。
そして2025年10月からは、直近の物価や賃金の上昇を踏まえて、追加で月500円の上乗せが実施されました。
これにより、合計で月1500円が加算されることになります。
500円という金額は一見わずかに思えますが、食費や光熱費の値上がりが続くなかでは大きな支えになります。
特に、限られた予算の中で生活する人にとってはありがたい措置といえるでしょう。
なお、入院中や介護施設に入所している人については、食事や光熱費が現物で提供されているため、従来どおり月1000円の加算が維持されます。
3. 生活保護はいくらもらえる?
2025年10月から特例的な加算が行われることで、生活保護の支給額はどの程度になるのでしょうか。
生活保護は「最低生活費」から「世帯の収入」を差し引いた不足分を補う仕組みであり、単純に一定額が支給されるわけではありません。
最低生活費は地域や世帯構成によって異なります。例えば、川崎市における家族構成別の最低生活費は以下の通りです。
3.1 《家族構成別》生活扶助基準額の例(月額)
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- 夫婦子1人世帯(30代夫婦、子3~5歳) 15万3400円
- 夫婦子2人世帯(40代夫婦、子中学生と小学生) 18万1760円
- 高齢夫婦世帯(65歳夫婦) 12万900円
- 高齢単身世帯(65歳) 7万6880円
つまり、40代の夫婦と2人の子どもがいる世帯で収入がまったくない場合、月18万円程度の生活扶助を受けられることになります。
さらに、家賃を支払っている場合は「住宅扶助」として上限額の範囲内で家賃補助が支給されます。
医療費や介護費も原則として自己負担がなく、必要なサービスを無料で受けられる点も生活保護制度の大きな特徴です。
4. 特例加算は2年間継続予定!
月額1500円の特例加算は、今後2年間継続される予定です。
生活保護を受けている世帯は、当面の間、現行の支給水準を維持したまま生活を続けることができます。
2年後には、社会経済情勢や一般世帯の消費水準などを踏まえ、再び制度全体の見直しが検討される予定となっています。
参考資料
苛原 寛