6. 取り組み⑥社会とかかわり、人間関係・趣味を育んでいた
お金と健康に加え、老後の生活を豊かにするのは「人とのつながり」と「生きがい」です。
総務省のデータによると、2024年時点の高齢者の就業率は、65歳~69歳が53.6%、70~74歳が35.1%、75歳以上が12.0%となっています。
高齢者の就業率が増加している背景には、健康寿命の延伸や「社会とのつながりを持ち続けたい」という意欲的な動機もあります。
同統計では、高齢者がなぜ仕事を続けるのか、その理由についても明らかになっています。
「収入のため」に働いているシニアが多いですが、仕事を通じてやりがいを感じたり、社会と関わりを持ち続けることで孤独に陥りにくく、そして健康にも気を遣うという方も多くいる傾向があります。
また、仕事だけでなくゴルフや囲碁・将棋、園芸などの趣味を通じて仲間ができたり、地域のイベントやPTA活動をきっかけに築いた人脈が、老後の支えとなるケースも少なくありません。
社会とのかかわり持っていたことが、心の豊かさと日々の充実感につながっているのです。
7. まとめにかえて
ゆとりある老後を過ごすシニアには、「計画的なお金の管理」「長期的な資産形成」「健康と生活習慣への意識」といった共通点がありました。
現役時代の小さな積み重ねが、退職後の大きな安心につながります。
将来の自分のために、今日からできることを少しずつ取り入れていくことが大切です。
参考資料
- J-FLEC 金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査 二人以上世帯調査(令和6年)」
- 内閣府「令和7年版高齢社会白書 第2節 高齢期の暮らしの動向」
- 総務省統計局「家計調査年報(貯蓄・負債編)2023年(令和5年)貯蓄・負債の概要」
- 国土交通省「高齢者の住まいに関する現状と施策の動向」
- 厚生労働省「令和4年度 生涯医療費」
- 内閣府「令和7年版高齢社会白書〈特集①〉高齢者の経済生活をめぐる動向について」
和田 直子