2. 65歳以上の就業者数が増加する社会的要因2つ

65歳以上も仕事を続ける理由は人によって異なりますが、日本の社会状況や高齢者の経済状況などが大きく影響していると言えるでしょう。

最初に主な社会的要因について解説します。

2.1 社会的要因1:少子高齢化による人手不足

社会的要因の1つ目は、少子高齢化による人手不足の深刻化です。

少子高齢化が進み、生産年齢人口は急減しています。その結果、人手不足が深刻化して働き手として高齢者の雇用ニーズが高まっています。

2.2 社会的要因2:国の支援による高齢者の就業機会の増加

政府は高年齢者雇用安定法を改正するなどして、働く意欲のある高齢者の雇用を後押ししています。

これまで企業に義務づけていた「65歳までの雇用機会の確保」をさらに強化し、努力義務として「70歳までの就業機会の確保」を設けました。

「65歳までの雇用機会の確保」では企業に定年延長や定年後の再雇用が求められますが、「70歳までの就業機会の確保」では業務委託などの措置も対象となります。

定年後に新しい職場で働くよりも、長年勤務してきた会社または関連会社で仕事ができることが高齢者の就業を後押ししています。

ここまで、65歳以上の就業状況と増加する社会的要因について解説しました。次章では、年金や貯蓄を含む高齢者の経済的要因と老後対策について解説します。