「未支給年金」をご存じでしょうか。

未支給年金は、年金受給者が亡くなった際、死亡日までの間に本来支給されるはずだった年金が、まだ振り込まれていない場合に発生するものです。

この未支給年金は、自動的に遺族へ支払われるわけではなく、請求の手続きをしなければ受け取ることができません。

実際、請求には「受け取れる人の順位」や「請求期限」、「必要書類」など複数のルールがあり、期限を過ぎてしまうと受け取りができなくなる点には特に注意が必要です。

また、未支給年金は相続財産とは扱いが異なり、税制面でも特徴があります。

本記事では、未支給年金の仕組みや誰が受け取れるのか、請求方法や期限、さらに税金の扱いまで、遺族が知っておくべきポイントをわかりやすく解説します。

大切な年金を受け取るために、ぜひ参考にしてください。

※LIMOでは、個別の相談・お問い合わせにはお答えできません。

1. 未支給年金とは?

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未支給年金とは、年金を受給している人が亡くなった際に、その死亡日までの期間に支給されるはずだった年金のことを指します。

年金は、偶数月に2カ月分まとめて振り込まれる仕組みですが、受給者がその直前に亡くなった場合、亡くなった月までの年金がまだ支給されていないケースが生じます。

この未払い分を、遺族が「未支給年金」として請求できるのです。

なお、未支給年金は「相続財産」とは異なります。

通常の財産分与とは違い、国が定める方法に従って、一定の条件を満たした遺族が請求しなければ受け取れません。

この点を理解しておかないと、遺産分割協議の対象に含めてしまうなど、誤解やトラブルにつながる恐れがあります。