秋も深まる10月下旬、公的年金制度は老後の生活を支える重要な柱です。日本の公的年金は「国民年金」と「厚生年金」の2階建て構造となっており、基礎部分の国民年金は全国民が対象、上乗せの厚生年金は会社員などが加入します。
出所:日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」等を参考にLIMO編集部作成
受け取れる年金額は、国民年金は加入期間、厚生年金は加入月数と納めた保険料によって一人ひとり異なります。今回は、公的年金の受給額の平均や、年金から天引きされる仕組みについて詳しく解説します。
1. 年金の受給額「男性と女性、それぞれの平均はいくら?」
ここからは、厚生労働省「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに、一人ひとりが受け取る年金について、グラフを交えて見ていきます。
個人差や、平均年金月額の男女差などに着目してみてください。
1.1 「厚生年金」の平均年金月額
- 〈全体〉平均年金月額:14万6429円
- 〈男性〉平均年金月額:16万6606円
- 〈女性〉平均年金月額:10万7200円
※国民年金部分を含む
1.2 「国民年金(老齢基礎年金)」の平均年金月額
- 〈全体〉平均年金月額:5万7584円
- 〈男性〉平均年金月額:5万9965円
- 〈女性〉平均年金月額:5万5777円
平均年金月額は、厚生年金(国民年金部分を含む)の受給権者は男性16万円台、女性10万円台。国民年金の場合は、男女ともに平均月額は5万円台です。
公的年金は2カ月分がまとめて支給されるため、1回あたりの支給額は一見高めに感じる人もいるでしょう。しかし、これをひと月分に換算すると、年金収入だけで生活できる世帯は多数派ではないかもしれません。
また、上記はあくまでも全受給権者の平均です。実際に一人ひとりが受給する金額は、グラフが示すように大きな個人差があります。
夫婦それぞれの年金見込み額は、「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」を活用して把握しておきましょう。
