紅葉が盛りを迎え、澄み切った秋空の下に冬の足音が静かに近づいています。
10月も下旬となり、年末に向けて何かと出費が増える季節となりました。
物価高が続いていることもあり、日々の家計のやりくりに頭を抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
また、老後の生活において「年金収入だけで、暮らしていけるのか」という不安もあるでしょう。
この記事では、2019年からスタートした恒久的な支援制度である「年金生活者支援給付金」について、わかりやすく解説します。
たとえ支給対象になっていたとしても「申請しないともらえない給付金」となっていますので、請求漏れがないようよく確認しておくことが大切です。
「年金生活者支援給付金」の支給対象者・2025年度の給付基準額・《封筒の色別》での請求方法をご紹介しますので、参考にご覧ください。
1. 【60歳代後半・70歳代前半・75歳以上】ひと月の家計収支はいくら?
一口に65歳以上といっても、年代により生活費が変わる場合もあるでしょう。
60歳代後半、70歳代前半、75歳以上に分けて生活費をみていきましょう。
1.1 60歳代後半・70歳代前半・75歳以上の実収入
- 65~69歳:30万7741円(うち社会保障給付21万6915円)
- 70~74歳:27万5420円(うち社会保障給付21万7558円)
- 75歳以上:25万2506円(うち社会保障給付20万7623円)
収入をみると、どの年代も年金は21万円前後となっています。
しかし年金は加入状況により個人差が大きいので、必ず自身についてねんきんネットなどで年金見込み額を確認しましょう。
1.2 60歳代後半・70歳代前半・75歳以上の支出合計(非消費支出・消費支出)
- 65~69歳:35万2686円(4万1405円、31万1281円)
- 70~74歳:30万3839円(3万4824円、26万9015円)
- 75歳以上:27万3398円(3万558円、24万2840円)
支出をみると大きな差が見られており、60歳代後半は35万円台、70歳代前半では30万円台、75歳以上は27万円台となっています。
理由はさまざまですが、一般的には年齢が上がるにつれて支出が減っています。ただし実際には家庭の状況により差があるでしょう。
次は「年金生活者支援給付金」について詳しく解説していきます。
2. 「年金生活者支援給付金」ってなに?どんな給付金?
年金生活者支援給付金は、年金に上乗せして支給される給付金で、以下の3種類があります。
- 老齢年金生活者支援給付金
- 障害年金生活者支援給付金
- 遺族年金生活者支援給付金
「老齢・障害・遺族」、それぞれの基礎年金を受給中の人が、公的年金を含めても所得が一定基準以下となる場合に、2カ月に一度、受け取ることができるものです。
3. 【3種類ある】「年金生活者支援給付金」支給対象者は?
3種類の年金生活者支援給付金には、それぞれの支給要件が設定されています。3種類共通の基準は、受給者本人の「前年の所得」です。
老齢年金生活者支援給付金には、これに加えいくつかの要件が加わります。
3.1 「老齢年金生活者支援給付金」支給要件
- 65歳以上の老齢基礎年金の受給者
- 同一世帯の全員が市町村民税非課税
-
前年の公的年金等の収入金額(※1)とその他の所得との合計額が昭和31年4月2日以後に生まれの方は80万9000円以下、昭和31年4月1日以前に生まれの方は80万6700円以下(※2)である。
※1 障害年金・遺族年金等の非課税収入は含まれません。
※2 昭和31年4月2日以後に生まれた方で80万9000円を超え90万9000円以下である方、昭和31年4月1日以前に生まれた方で80万6700円を超え90万6700円以下である方には、「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給されます。
3.2 「障害年金生活者支援給付金」「遺族年金生活者支援給付金」の対象者
- それぞれの年金(障害基礎年金もしくは遺族基礎年金)の受給者である
- 前年の所得(※)が479万4000円以下である(扶養親族等の数に応じて増額)
※ 障害年金、遺族年金等の非課税収入は除く
それぞれの給付金において、上記の要件をすべて満たす場合、年金生活者支援給付金を受け取ることができます。
4. 【年金生活者支援給付金】「2025年度の給付基準額」はいくら?
2025年度の年金生活者支援給付金の給付額は、前年の物価変動率にもとづき、+2.7%の増額となりました。
4.1 【2025年度】年金生活者支援給付金の給付基準額
- 老齢年金生活者支援給付金(基準額):月額5450円
- 障害年金生活者支援給付金:障害等級1級6813円・2級5450円
- 遺族年金生活者支援給付金:月額5450円
老齢年金生活者支援給付金のみ、上記の基準額をもとに「保険料納付済期間や免除期間」に応じて、実際の支給額が計算されます。
5. 【年金生活者支援給付金】《封筒の色別》請求方法は?
年金生活者支援給付金の支給対象と判定された人には、日本年金機構から請求書が届きます。
年金受給状況によって、書類形式や郵送タイミングが異なります。ここでは、3つのケースに分けて、送付時の封筒や、手続き方法を紹介しましょう。
5.1 【ケース1】これから老齢年金を受け取り始める人(緑の封筒)
これから老齢年金を受け取り始める人には、65歳になる3か月前に、年金受給に必要な「年金請求書(事前送付用)」に同封して「年金生活者支援給付金請求書」が送付されます。
必要事項を記入し、受給開始年齢の誕生日の前日以降に、年金の請求書とともに年金事務所に提出しましょう。
5.2 【ケース2】すでに年金を受給している人の場合(うす緑の封筒)
すでに基礎年金を受給中で、新たに年金生活者支援給付金を受け取ることができる方には、2025年9月1日から「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」が順次郵送されます。
必要事項を記載したら同封の目隠しシールを貼り、差出人欄に住所・氏名を記載したうえで切手を貼ってポストに投函しましょう。
※支給要件に該当するか確認できない方には、年金生活者支援給付金請求書(A4型)および所得情報等を確認するための所得状況届が届きます。
5.3 【ケース3】老齢基礎年金を繰上げ受給中の場合(うすだいだい色の封筒)
老齢基礎年金を繰上げ受給中の方のうち、年金生活者支援給付金の受給権が発生すると見込まれる場合、65歳になる誕生月の初旬(1日生まれの方は前月の初旬)に「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」が郵送されます。
必要事項を記載したら同封の目隠しシールを貼り、差出人欄に住所・氏名を記載したうえで切手を貼ってポストに投函しましょう。
※支給要件に該当するか確認できない方には、年金生活者支援給付金請求書(A4型)および所得情報等を確認するための所得状況届が届きます。
一度申請すれば、支給要件を満たす限り2年目以降の手続きは基本的に不要です。また、所得が増えるなどして支給要件を満たさなくなった場合は、「年金生活者支援給付金不該当通知書」が届き、給付金の支給は停止されます。
なお、2025年1月以降に65歳に到達し、日本年金機構から「年金生活者支援給付金請求書(はがき)」が届いた人は、「電子申請による提出」ができるようになりました。
電子申請により提出した場合、郵送による提出は不要です。
6. 支給対象となっていないかよくチェックしておきましょう
ここまで、2019年からスタートした恒久的な支援制度である「年金生活者支援給付金」について解説しました。
2025年度の給付基準額は、2024年度と比較して2.7%増額改定されています。
支給対象となる方は「請求手続きをしないともらえない給付金」となっていますので、請求漏れがないようご注意ください。
物価の上昇で日々の生活費が圧迫されやすくなっていますが、支援制度が設けられているケースもあるため、ご自身やご家族が支給対象となっていないかよくチェックしておきましょう。
参考資料
- 日本年金機構「令和7年4月分からの年金額をお知らせする「年金額改定通知書」、「年金振込通知書」の発送を行います」
- 日本年金機構「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)が届いた方へ」
- 日本年金機構「老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金の概要」
- 厚生労働省「年金生活者支援給付金制度について」
- 厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします~年金額は前年度から 1.9%の引上げです~」
- 厚生労働省「年金生活者支援給付金」
- 日本年金機構「老齢基礎年金を新規に請求される方の請求手続きの流れ」
- 日本年金機構「個人の方の電子申請(年金生活者支援給付金請求書)」
- 総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」








