4. まとめにかえて

総務省の調査によると、65歳以上の無職夫婦世帯は、年金などの収入(平均25万2818円)に対して支出(平均28万6877円)が上回り、毎月約3万4000円の赤字が生じています。この不足分は貯蓄を取り崩して補填しているのが実情です。

しかし、65歳以上の無職世帯の平均貯蓄額は2560万円(2024年時点)で、過去5年間で約300万円増加しており、資産運用への関心も高まっていることがうかがえます。

また、年金だけでは生活が厳しいことや、社会とのつながりを求めることなどから、65歳以上の就業率は過去最高を記録。65〜69歳の半数以上が働いており、70歳を過ぎても一定の割合の人が就業を継続しています。

特に「卸売業、小売業」「医療、福祉」「サービス業」といった分野で多くの高齢者が働いているのが現状です。

これらのデータから、リタイア後の生活には資金面での課題がある一方、貯蓄や働き方を工夫してアクティブに過ごす高齢者が増えていることがわかります。

どのように老後を過ごしたいのか、現役時代のうちから考えておきたいですね。

【編集部よりご参考】

参考までに、老後の重要な資金源である年金額の平均もご紹介します。

【国民年金(老齢基礎年金)】

  • 〈全体〉平均年金月額:5万7584円
  • 〈男性〉平均年金月額:5万9965円
  • 〈女性〉平均年金月額:5万5777円

【厚生年金(国民年金部分を含む)】

  • 〈全体〉平均年金月額:14万6429円
  • 〈男性〉平均年金月額:16万6606円
  • 〈女性〉平均年金月額:10万7200円

参考資料

太田 彩子