いよいよ9月に入り、新米がたくさん出回る時期になりました。

今年もおいしいお米を食べたいものですが、それが叶う人の割合は去年に比べて少なくなるかもしれません。

米も含め、物価の上昇は9月になっても続いています。こうした状況は、年金生活者や低所得者の生活をいっそう厳しくする要因になります。

国は、住民税非課税世帯を対象とした現金給付を今年の初めにおこないましたが、さらに国民生活への支援として、一律2万円の給付案も検討しているようです。

しかし、ここにきて見直しする案も浮上しています。

そこで今回の記事では、今年の年頭より実施された「住民税非課税世帯への3万円給付」についておさらいし、記事の後半では住民税非課税世帯について、具体的な要件や収入目安についてお伝えします。

1. 給付金内容をおさらい「非課税世帯への3万円給付」とは?

令和6年11月22日に閣議決定、12月17日に予算成立した総合経済対策に基づいて、今年の初めより、物価高の影響を受けやすい住民税非課税世帯へ給付金が支給されました。

支給額については、1世帯あたり3万円を支給し、子育て世帯には、子ども一人あたり2万円を加算しています。

世帯の全員が非課税であることなどが受給の要件となっており、支給は1回のみです。

すでに多くの自治体で支給や手続きは終了しています。

今回の給付金は全国で実施されましたが、申請期限など、細かな実施内容は地域によって異なる場合があります。

このよな支援策は自治体単位で行われる場合もあるので、自治体や行政から郵送が届いたときは、必ず目を通して確認することが大切です。

日頃から自治体が発行する広報誌などを確認しておくことも大事ですね。

2. そもそも「住民税非課税世帯」とは?

住民税は、自治体サービスの財源としての性格を持つ地方税で、「均等割(所得に関係なく均一に課税)」と「所得割(所得に応じた課税)」の2つで構成されています。

令和6年度から森林環境税が合わせて徴収されることになり、この3つを足した額が税額になります。

住民税は「均等割」と「所得割」の2層構造1/2

住民税は「均等割」と「所得割」の2層構造

出所:総務省「個人住民税」

 

住民税非課税世帯とは、前年の所得が一定水準を下回り、各自治体の要件にしたがって、これらの税金が課されない世帯のことです。世帯の全員が住民税を課されていない状況です。

非課税になるケースとして、具体的には「均等割と所得割が非課税」や「所得割が非課税」が想定されますが、一般的には「均等割と所得割が非課税」を指す場合が多いでしょう。

それでは、どのような条件であれば非課税になるのか、東京都練馬区の場合で確認してみます。

2.1 「均等割」と「所得割」が非課税になる場合

  • 生活保護を受けている方(その年の1月1日現在)
  • 障害者・未成年者・寡婦・ひとり親で、前年中の合計所得金額が135万円以下(給与収入の場合、204万4000円未満)の方
  • 前年中の合計所得金額が下記の金額以下となる方
  • 同一生計配偶者及び扶養親族がいない場合:45万円
  • 同一生計配偶者又は扶養親族がいる場合:35万円×(本人+被扶養者の人数)+31万円

2.2 【参考】「所得割」が非課税になる場合

上記の「均等割と所得割が非課税になる場合」に該当しない場合で、前年中の総所得金額等が下記の金額以下になる場合

  • 同一生計配偶者及び扶養親族がいない場合:45万円
  • 同一生計配偶者又は扶養親族がいる場合:35万円×(本人+被扶養者の人数)+42万円

※総所得金額:合計所得金額から、繰り越すことが認められている損失額を差し引いた金額のこと

住民税非課税世帯となる条件は、自治体によって異なります。要件の詳細に関しては、お住いの自治体のホームページなどでご確認ください。

3. 「住民税が非課税」になる年収の目安は?

住民税が非課税になる年収の目安はいくらでしょうか。

前述した東京都練馬区の要件で計算してみます。

たとえば、65歳以上で独身、扶養親族はおらず、収入が年金のみの方、前年の収入金額は155万円の場合だと、155万円(年金収入)ー110万円(公的年金等控除)=45万円(雑所得)となり、住民税が非課税になるケースに該当します。

また、配偶者と子(1人)がいるケースであれば、35万円×3人+31万円=136万円となり、給与収入が206万円未満であれば非課税になります。

  • 例)205万円(給与収入)ー69.5万円(給与所得控除※)=135.5万円(給与所得)

※給与等の収入金額が180万1円以上360万円まで:205万円(収入金額)×30%+8万円=69.5万円(給与所得控除)

4. まとめにかえて

今回の記事では、今年の年初に実施された給付金について、記事の後半では住民税非課税世帯の仕組み、具体的な要件や収入目安についてお伝えしました。

厚生労働省が公表した「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」によると、高齢者世帯(※)の収入のうち、63.5%を「公的年金・恩給」が占めており、1世帯あたりの公的年金・恩給の額は200万円となっています。

※65歳以上の者のみで構成するか、又はこれに18歳未満の者が加わった世帯

各種世帯の所得の種類別1世帯当たり平均所得金額2/2

各種世帯の所得の種類別1世帯当たり平均所得金額

出所:厚生労働省「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」

「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」でも、厚生年金の平均年金月額は16万6609円(男性の場合)で、12か月分は200万円近い額になります。

つまり、平均的な年金を受け取っている世帯は非課税世帯にはなりませんが、例えば、国民年金のみを受給している、もしくは報酬比例部分が少ない方は非課税世帯に該当する可能性があります。

今回の給付金は一回限りでしたが、低年金世帯には「年金生活者支援給付金」という別の給付金も支給されています。こちらは年金と合わせて受け取れる給付金です。

新たに対象になる方には、日本年金機構より毎年9月より給付金の請求書が発送されます。

受け取りには手続きが必要となる給付金なので、届いた方は早めに内容を確認することをおすすめします。

参考資料