政府は定期的に、住民税非課税世帯を対象に現金給付を行っており、2025年も3万円の支給が実施されました。
「住民税非課税世帯」とは、世帯全員が住民税の均等割と所得割の両方が免除されている世帯を指します。
あまり馴染みがないかもしれませんが、多くの高齢者がこの非課税世帯に該当していることをご存知でしょうか。
実際に厚生労働省の「令和5年 国民生活基礎調査」によれば、75歳以上の高齢者の約半数が住民税非課税世帯に含まれています。
上記のような背景から、国や自治体は該当世帯に向けて様々な支援を行っています。
では、住民税非課税世帯のシニアが受けられる支援策にはどのようなものがあるのでしょうか。
本記事では、住民税非課税のシニア世代が「申請すれば受けられる」公的な支援制度を紹介します。
1. 【給付関連】「住民税非課税世帯」のシニアが対象の支援策
まずは、住民税非課税世帯に該当するシニアを対象とした「給付金制度」について見ていきましょう。
なお、以降で紹介する給付金や公的支援は「申請が必要」となっています。
そのため、ご自身の世帯が条件を満たしているかどうか、事前にしっかり確認しておくことをおすすめします。
1.1 給付関連:年金生活者支援給付金
年金生活者支援給付金は、年金収入だけでは生活が困難なシニアの暮らしを支えるために設けられた制度です。
この給付金を受け取るためには、「国民年金」「障害年金」「遺族年金」のいずれかをすでに受給していることが前提で、さらに一定の要件を満たす必要があります。
一例として、国民年金(老齢基礎年金)を受給している方が、以下のすべての条件を満たしている場合、「老齢年金生活者支援給付金」を受け取ることが可能です。
- 65歳以上の老齢基礎年金の受給者である
- 同一世帯の全員が市町村民税非課税である
- 前年の公的年金等の収入金額※1とその他の所得との合計額が昭和31年4月2日以後に生まれの方は88万9300円以下、昭和31年4月1日以前に生まれの方は88万7700円以下※2である。
※1 障害年金・遺族年金等の非課税収入は含まれません。
※2 昭和31年4月2日以後に生まれた方で78万9300円を超え88万9300円以下である方、昭和31年4月1日以前に生まれた方で78万7700円を超え88万7700円以下である方には、「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給されます。
2025年度の老齢年金生活者支援給付金は、月額5450円と定められており、基準額通りに支給される場合、年間で約6万円を受け取ることができます。
冒頭で触れた政府の定期的な給付金とは異なり、この「年金生活者支援給付金」は、条件を満たし続ける限り支給が継続されるため、該当する方は忘れずに申請を行いましょう。