3. 老後の必要資金

総務省の「家計調査年報(家計収支編)2024年」によると、65歳以上単身者の1ヶ月の生活費は平均約16万円です。

老後生活の期間を65歳から90歳まで(300ヶ月)、毎月の生活費を年金だけで賄うと仮定すると、年金受給額によって老後の必要資金(貯蓄額)は次の通りです。

  • 厚生年金受給者(年金月額14万6429円):(16万円-14万6429円)×300ヶ月=約407万円
  • 国民年金受給者(年金月額5万7584円):(16万円-5万7584円)×300ヶ月=約3072万円

40歳代と50歳代の平均貯蓄額(単身者)は約1000万円であるため、平均的な貯蓄があり厚生年金の平均額が受給できる人は、現在の貯蓄と将来の年金で老後生活を賄えることになります。

一方、国民年金の平均額しか受給できない人は、老後資金としてこれから2000万円以上の貯蓄が必要です。

ただし、年金額や貯蓄額、老後の生活費は人によって異なります。また、葬儀費用や持ち家の有無、車の買い替え、医療・介護費などを考慮すると、老後の生活費の差はさらに大きくなります。

現在の貯蓄額や将来の年金見込額を確認するとともに、老後のライフスタイルや生活費を想定して、これからいくら貯蓄しなければならないかをシミュレーションしてみましょう。

4. 老後対策3選

老後必要資金のシミュレーション結果を基に、自分にあった老後対策を立ててできるだけ早く実行に移しましょう。主な老後対策は次の3つです。

  • 収入を増やして支出を減らす
  • 投資によって効率的に資金を増やす
  • 65歳以降も仕事を続ける

4.1 対策①:収入を増やして支出を減らす

収入を増やして支出を減らすことで、毎月の貯蓄額を増やせます。

収入を増やすためには、資格・スキルの取得や転職、副業などが考えられます。支出を減らすためには、生命保険料や携帯電話代、電気料金など固定費の削減が効果的です。また、無駄な雑費が多すぎないかチェックすると良いでしょう。

老後資金は高額になることが多いため、毎月コツコツ、長期間貯蓄を続けることが大切です。