楽天グループが提供する「楽天家計簿」は、2025年7月29日に「家計の悩みに関する調査」結果を発表しました。
それによると、最も多かった悩みは「貯金がなかなか増えない」(17.6%)で、年代別でみると20歳代~40歳代では最も多く挙げられた項目です。さらに、50歳代以降では「老後の生活資金に不安がある」が1位となり、年齢が上がるほど将来の資金への不安が増していることがわかります。
こうした状況を背景に、注目を集めているのが「新NISA」です。税制優遇を活かしながら、将来のためにコツコツと積み立てられる制度として、多くの人が資産形成の一歩を踏み出しています。
本記事では、「新NISAのポイント」と、実際に「30年間、月々3万円を年利3%で積み立てた場合」のシミュレーション結果をご紹介します。
これから資産運用を始めたい方はもちろん、すでに新NISAを活用している方にも参考になる内容です。将来の不安を少しでも解消するヒントとして、ぜひ最後までお読みください。
1. 【おさらい】「これまでのNISA」と「新しいNISA」の違いは?
非課税の恩恵が大きいことで注目されてきたNISA制度ですが、2024年1月から始まった新NISAでは、その仕組みがさらに進化し、メリットが強化されています。
従来のNISA制度と比べて、どのような違いがあるのでしょうか。
まずは、これまでのNISA制度の内容を振り返りつつ、変更点を整理していきましょう。
1.1 これまでのNISA:「一般NISA」と「つみたてNISA」の概要をおさらい
従来のNISA制度は、「一般NISA」と「つみたてNISA」の2つの枠組みに分かれて運用されていました。
これまでのNISA「一般NISA」
- 年間非課税枠:120万円
- 非課税保有期間:5年間
- 投資可能商品:上場株式、投資信託等
これまでのNISA「つみたてNISA」
- 年間非課税枠:40万円
- 非課税保有期間:20年間
- 投資可能商品:投資信託やETF
1.2 新しいNISA:「成長投資枠」と「つみたて投資枠」の概要をおさらい
次に、新たに導入されたNISA制度の内容を確認してみましょう。
新NISAでは、「成長投資枠」と「つみたて投資枠」の2つの枠が設けられており、この2つは併用することが可能となっています。
新NISA「成長投資枠」
- 年間投資上限額:240万円
- 非課税保有期間:無期限
- 投資対象商品:上場株式・投資信託など
新NISA「つみたて投資枠」
- 年間投資上限額:120万円
- 非課税保有期間:無期限
- 投資対象商品:投資信託やETF
新NISAでは、非課税で保有できる限度額が1800万円まで拡充されており、そのうち成長投資枠は最大で1200万円まで利用可能です。
また、一度使った枠でも売却すれば翌年に再利用できる仕組みとなっています。
2. 新NISA制度の大きなポイント4つ
新NISA制度の魅力が増したポイントは、主に以下の4点です。
- 「成長投資枠」と「つみたて投資枠」が併用可能
- 年間投資上限額が増えた
- 非課税保有限度額(総枠)が新設された
- 恒久化された
年間の投資上限額が大きく引き上げられるなど、従来よりも柔軟で使いやすい制度となっています。
なお、旧NISAは2023年末で買付が終了しましたが、既存の非課税口座内の商品は、新制度の非課税枠とは別に、従来通りの扱いで保有が継続されます。
3. 【シミュレーション】新NISAで「月3万円・30年間」積立投資!
新NISAの積立投資なら、少額から始められ、長期・積立・分散の基本に沿った運用が可能です。
ここでは、30年間、月々3万円を年利3%で積み立てた場合のシミュレーションを見てみましょう。
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出所:LIMO編集部作成
3.1 【運用成果】積立投資「月3万円・年率3%・30年間」
元本・運用収益:総額
- 開始:0円
- 2年目:72万円・2万1085円:74万1085円
- 4年目:144万円・8万7936円:152万7936円
- 6年目:216万円・20万3382円:236万3382円
- 8年目:288万円・37万422円:325万422円
- 10年目:360万円・59万2243円:419万2243円
- 12年目:432万円・87万2228円:519万2228円
- 14年目:504万円・121万3969円:625万3969円
- 16年目:576万円・162万1280円:738万1280円
- 18年目:648万円・209万8210円:857万8210円
- 20年目:720万円・264万9060円:984万9060円
- 22年目:792万円・327万8393円:1119万8393円
- 24年目:864万円・399万1058円:1263万1058円
- 26年目:936万円・479万2199円:1415万2199円
- 28年目:1008万円・568万7281円:1576万7281円
- 30年目:1080万円・668万2107円:1748万2107円
3.2 運用結果をグラフでも確認しよう!

出所:LIMO編集部作成
20年間積み立てたケースでは、元本720万円に対して約265万円の運用益が出て、合計で約985万円となりました。
さらに、30年間続けると元本は1080万円、そこに約668万円の利益が加わり、総額は約1748万円に達します。
一方で、銀行預金であれば元本は保証されますが、物価上昇が進めばそのお金の「実質的な価値」が下がる可能性があります。
また、預金に付く利息にも課税があるため、利子収入は目減りすることになります。
NISA制度を活用すれば、運用益に対して課税されることがないため、得られた利益をそのまま受け取ることができます。
この「非課税」という点が、長期運用を考えるうえで大きな強みになります。
ただし、投資には当然リスクもつきもので、市場の状況によっては元本を割り込む可能性もあります。
預貯金と投資、それぞれにメリットとリスクがあるため、目的や状況に応じてバランスよく組み合わせるのが理想的な資産形成といえるでしょう。
4. リスクも正しく理解しながら、無理のない積立投資を
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今回は、新NISA制度の解説と、積立投資のシミュレーションを行ってきました。
新NISAでは非課税保有期間が無期限になったことにより、老後のために新たに資産運用に取り組もうと考えている人も多いかもしれません。
ただし、積立投資は長期間続けるほどリターンが見込める一方で、市場環境によっては一時的に評価額が下がるリスクもあります。元本割れの可能性もゼロではありません。
大切なのは、リスクとリターンのバランスを理解したうえで、焦らずコツコツと“自分のペース”で続けること。余裕資金の範囲で、無理のない積立投資を続けていくことが、将来の安心につながる第一歩です。
参考資料
橋本 優理
