1.1 【50歳代おひとりさま】「貯蓄額」平均値と中央値は異なるもの

当調査結果では、平均値と中央値のふたつの値が算出されており、2つの違いを明確に理解することが大切です。

平均値とはデータの値の合計をデータの個数で割った値で、中央値とはデータの値を小さい順に並べたときに、ちょうど真ん中になる値のことをいいます。

平均値はデータ全体を把握しやすいという特徴がありますが、データの中に極端に大きな値や小さな値があると、その影響を受けやすく実際の平均とはかけ離れることがあります。

一方、中央値はデータ中の極端に大きなまたは小さな値の影響を受けにくいため、実際に近い平均を知る目安となりますが、全体を把握するには適していません。

こういった特徴から、平均を知るには平均値と中央値の双方を合わせ見ることが大切です。

当調査結果では、中央値は30万円とされており、平均値の1087万円よりかなり低額になっています。

貯蓄額の高い世帯が平均を押し上げていると考えられるため、実際の平均は1087万円よりも少額になる可能性があるでしょう。

1.2 【50歳代おひとりさま】もっとも多いのは「金融資産なし」世帯

50歳代おひとりさま世帯の、金融資産保有額ごとの世帯割合を見ていきましょう。

「50歳代おひとりさま世帯」金融資産保有額と世帯割合

「50歳代おひとりさま世帯」金融資産保有額と世帯割合

出所:金融経済教育推進機構(J-FLEC)「家計の金融行動に関する世論調査(2024年)」をもとに筆者作成

50歳代のおひとりさま世帯では、「金融資産なし」の世帯が最も多く40.2%を占めています。

また、「100万円未満」の世帯は2番目に多く13.1%となっており、合わせると半数以上の世帯が金融資産なしか、あっても100万円未満という状況です。

しかし、「3000万円以上」の資産を保有している世帯は3番目に多く11.2%を占めており、約10世帯に1世帯が該当します。

金融資産のない、または少ない世帯と高額な資産を保有している世帯の差が大きく出ているといえます。